理想とする電車のデザインというモデラーの特権的なお題。二昔ほど前の鉄道模型コンペティションの「定番」でもありました。1950年代のOゲージ時代から、1980年代のNゲージ主体の時代に至るまで、鉄道模型趣味誌やとれいん誌をこうした題材が彩っていたのです。
(尤も鉄道模型の製品のクオリティはイマイチで、そして世の現実の電車は画一的な国鉄型しかいなかったような時代です……。夢を模型に託していた時代?)
翻って。昔の鉄道模型的な流れを汲んでると思う(少なくとも私はそう思ってる!)、Lゲージの世界ではもっと自由形は造られてもよいのでしょう。ただ、デザインの難しさなどから少数派に留まっておりますね。
この作品。注目されてほしいです。

MLT-E660形「CITY GAZER」。
特徴はやはりバットマン系で使われた特殊キャノピー「24235c01」「24226c01」を使いこなしていること。何時かは鉄道車両にも使いうる形状と思っておりましたが、こんな形になりました。斜めに使っていることもあり、綺麗なラインじゃありませんか!
想定されているのは、日本の?特急電車なのでしょう。
5車体連接。スタイリング的に時代考証は昭和が平成に変わったころ。電車のデザインにも革命が起こりだしたころ(近鉄21000とか東武100、小田急10000。そしてJRE 651)の感じがします。昭和の保守的な電車とは違う彼女たちも長く親しまれ愛されて、今は美しいまま最期を迎えつつある……という雰囲気なのですね。
それでも、前面の丸ライトはこの時代的にはミスマッチ? いやいやユニークな特徴になっておりますよ! 良い意味で時代感を曖昧にしておりましょう。
そして、シックなモノトーン。グレイのボディに白帯が高貴さを加えます。

設定。こういうの大事ですよね!
「ネズミ男爵」って愛称が楽しい。こういうキャラ立てって考えてて楽しいですし、また作品の印象を強烈なものとします。

絞られた流線型と高運転台。ボンネット側面のグリルも良いアクセントに。
この角度から見ると、幾何学歴造形な床下機器のカバーリングも作品の魅力高めていることに気が付かされます。

力走。この角度だと「ネズミ男爵」な印象が確かに感じられます。かっこよく・かわいい!
当日は連接系の不調で走行時間があまり長くなかったのが残念でした。
改良で、復帰されること期待しております。

風光明媚な区間を往きます。展望ラウンジの意義を発揮する場面です。

編成で。横組のドアが綺麗で、そしてインパクトに。


こちらからだと、グリーン車、展望ラウンジ、普通車x3という編成でしょうか。
どうやら展望車は公室的空間の模様。

展望車。アップで。
このキャノピ部品は如何にもこうした車両に使えそうですが、これまで製作例が無かったですね。素直に、格好良い。
車両中央の窓なし部分も善きアクセント。
車内にはカウンターテーブルが。ビュフェ・カフェ的な車両でもあるのでしょう。

連接の中間車。プレーンな中間車だからこそ、基礎デザインが見えてきます。8幅ゆえのどっしりした低重心の安心感。
ドア脇の表示類は二色のLEDか? 善きレトロ。
そして流線型のパンタカバー。二両にまたがる大仰さがまた良いのですね。
今回はやや不調でありましたが、改良での再起、願っております。
また、こうした気合の入った自由形、続いてほしいと思うのでした。理想をデザインするというのは凄く楽しいことなのですし、形に出来るのはモデラーとレゴラーの特権なのですから。
追記。mieshin様の動画です。足回りは改良済まれた模様。
オリジナルレゴトレイン、
— mieshin (レゴドール) (@mieshin_brick) 2018年5月7日
CityGazerの走行動画です!
始めは70% 2周目からフル
ノッチで走っています(*^^*)
コレがオフ会で見せたかった
姿です(笑 pic.twitter.com/Aa0V9TfA5E