名鉄850形は元 名岐の流線型電車。1935年製造。2連が2本。
800形を流線型にしたもので1988年まで活躍しました。同じく名鉄には愛電由来の3400系(「いもむし」「流線」)もおりましたけど、デザインの方向性が違っておりファンの目を楽しませてくれたものでした。
3400系は優等列車に使われることが多いため転換クロスで車内はデコラ張り。
対して850形は戦時中にロングシート化されたままながら、ニス塗りの古風な車内を廃車時まで残していたこと思い出されます。
850形は意外とよくある前面屋根の垂れ下がったスタイルで、正に「なまず」の印象でした。同じ顔の電車や気動車もほぼ全滅してしまいましたが、サハリンの気動車や撫順の電車(元気動車)は未だ残ってるのでしょうか……?

先ずは制作中画像から。AP様の何時ものスケール。7幅フルスケールです。
前頭部は傾斜角こそ割愛されていますが、旧タイプ窓枠使ったちょっとゴツメの雰囲気が850らしいです。
(自分なら真ん中の窓には傾斜付けて、下半部は1プレートずらして階段状傾斜にしますが……AP様、如何でしょうか?)

圧巻は側面でしょう。
二段窓を細いピラーも含めて表現しています。
パッと見たところで作り方がわからないのですが、どうやら。
窓1個1個を上下逆に組み、細いプラーはブラケットの薄い面を使っているようなのです。これがすべての窓に。気が遠くなるのですが……。
側ドアもバランスの良い3幅です。それゆえに細かい調整が入っているようですね。

足回りもついて完成の模様です。
大きめの作品だと、2連でもボリューム感が十分にありましょう。このスケール・この作りならではの精密感。

既存作の3600形と組んでの4連。往年のAL車はいろんな形状の電車が繋がって走ってるのが当たり前でした。
3600系は愛電の車ですが、この組み合わせも格好良いものです。
また、AL車はある時期までは色もまちまちでしたが(一応標準は濃緑)、1977年ころからの赤への統一は編成美も作り出したように思えます。
パノラマに始まる名鉄スカーレットは意外と旧型車にも似合っていたものです。

「北アルプス」の8000系気動車と並び。
AP様の名鉄も、この他に展示貸出中の800形単車に、7500系パノラマカーもおりますから、勢揃いさせると壮観でありましょう。
いつか名古屋で、大規模トレインイベント※が実現すること願っております。
※:いや名古屋平日オフは既にとてつもなく大規模ですが……。公的展示に繋がればいいなと。