製作技法などもまとまってきてる。
しかし、更なる革命も進んでいたのでした。

東武50090系は、50000系グループの中でも「東上線優等列車」向けにLCシートを装備したもの。東上線では1950年代以来60年ぶりのクロスシート車復活。そして関東初のLCシート導入も話題になりました。
有料列車TJライナーも定着し、また同種の車両が西武・京王・東急と導入続く流れも……。
なお、50090系は送り込み運用もクロスシートモードなのが特徴で、意外と料金無しで乗る機会があるようです。
さて。
なし様の作品。無論「池袋」という場所に合わせたがゆえの東上線です。氏得意のラージスケール作品ですが、これまでとも一味違う作風・技法を取り入れておりますね。
まず、前面は7幅。車体幅8ですが、これで額縁顔の整合性を取っています。
奇数幅前面は引き締まった印象があります。昔の海外の8幅作品で多かった「大きくしただけ……」とは対局かもしれません。
ヘッドライト周り、L形パネル使うことでライトケースの吊目の表現にしています。
ライトや方向幕の点灯も見逃せません。専用電源搭載(単4)だそうです。走行用は単3電池で……。

側面は4ドアを4ドアで。
ただ、完全なスケールではなく、やや前後に縮めたような良い意味での模型的・玩具的スケールです。それでも8幅大型作品ならではの「バランスの良さ」を湛えているのですが。
そして注目されるべきは窓表現。3x6という大きさの側窓を「窓ガラスパネル」のみで表現するという大胆さ! このスケールに関してはベストマッチング。
そのうえ、他の窓部品にはない透過度の高さも印象的です。
車内のインテリアやミニフィグがこの上なく、際立つ。
窓に目を奪われがちですが、ドアも秀逸というか変態組みですね。3幅分に対して、真ん中1ポッチをすなわち2.5プレート分を「1-0.5-1」に分割するなんて思いつきもしません! 0.5部分はドア同士の当てゴムです。

今回は3両編成で。しかし、十分過ぎるボリューム・存在感です。

側窓は車体ツライチではなくやや奥まってるのが却ってアルミボディらしい。

思わず吃驚。ドアの製造過程です。半狂乱的物量というか工数でしょう。コストより根気が心配です。

窓まわりとインテリア。
ガラスはグリルタイルの溝嵌め込み。高さの微調整はブラケットで。

別角度より。
座席を設けることよりも、窓から見て中身が見えることを最優先されてますね。
しかし実際に、シートバックは実によく目立ったのでした。

ドアの内部構造。微妙な位置で保持するための補強でいっぱい。優雅に泳ぐ白鳥の足下……でしょうか(笑)。
しかし、この作品は頑丈かつトラブルレスで池袋を走り抜きました。
6幅派をうならせる新基軸いっぱいの8幅作品。ラージスケールならではのメリットは活かし尽くす。そして、このモデルの造りは4ドアの通勤型の多くに応用の効くものでありましょう。
革命は……まだまだ続くのです。