然し、そのキハ101は鉄道ファン的にはとても有名な車両でもあります。
その姿は直球の「レールバス」。線路上を走るボンネットバス!
無論単端式(片運転台で要方向転換)です。

この種のゲテモノ、自動車に毛が生えたようなものだった内燃動車の創始期(大正から昭和初期)だってそうそうありません。あっても762mm軌間など軽便用。
然し。この車は戦後生まれ。軌間も軽便用ではなく、1067mm軌間用です。
そのうえ戦後混乱期ではなくて1955年。既にまともというか普通の気動車。キハ17系等がガンガン量産されてた頃。この時期にこんな代物造ったとは……。
更にこの車のルーツは進駐軍払下げのGMCトラック。1947−50年ころには、進駐軍払下げのフレームとエンジンに日本でバス車体を架設した改造車が各地で使われてた由。ガソリン特配付で、車内には「この車は進駐軍の好意により……」とかの掲示がされてたとか。
そんな軍用車改造バスも1950年代前半には、(まともな)国産ディーゼルバスの登場で早くも引退。多くが廃車解体される中、大阪市で使われてた2台が「国鉄西鹿児島工場」に送られ、鉄輪に改造。
101がボンネット。102がキャブオーバースタイル。
で、せっかく改造したこの2両のレールバスも、もともと持っていた気動車2両(キハ41000類似)で運用が足りたため余り使われず。そして導入から5年後に休止→廃止です。
もっとも、当時のバスの寿命からいけば通算15年かそれ以上は十分に大往生でしょうが……。それでも九州の僻地であったことと鉄道車両としては5年の寿命ですから記録写真が残ってるのが奇跡なのかもしれません。


ご地元九州 ジョージ・レモン様の作品です。
まず、6幅のボンネットバスとしての造形が完璧です。
車輪を隠したフロントフェンダー。飛び出たヘッドライト。前面窓の傾斜+後退角。ドアとボンネットの間の微妙なカーブ。原始的な折戸ドア。横組の側窓。
そしてミニマムと言えるサイズ。
普通に6幅バス仕立てても「凄い」「濃い」作品でしょう。

このカーブがまた艶っぽいのですね。


その上、PF内蔵して自走ですよ!
側面から見ればわかりますが、電池boxは縦置。その隣に同じく縦置きのMモータ(自作動力)、更にその隣……最後尾に受光ユニットです。
つまり、電池boxの上にモータ、その上に受光ユニットの3段構成を横倒しにしたとも言えるのでしょうか?
コンパクト化のための機器配置の工夫が……実物同様のゲテモノ感というと褒め過ぎでしょうか(笑)。機器配置の究極の一つでしょう。
なお、この題材だと自作動力必須ですよね。ホイルベースの長さがちょっとエグい(笑)。無論、トレインモータ1軸駆動という手もありましょうけど(つまり9Vで安易にというのは難しい相談です)。
あと。丸み持ったテールスタイルもいい感じですね。
車輪のギリギリ寸法でツライチな隠し方も!

当時っぽい自動車と。
日通っぽい配色のやはり軍用車払下げ風のトラック。世界観が揃います。

ボンネット同士。良い雰囲気。
走行動画
— ジョージ・レモン@3/17北九州レゴブロックミーティング (@boxlegoblog) 2018年3月2日
受光器を車体からはみ出して設置していますのでリモコン操作の反応は良好。
車輪とモーターの接続構造上あまりパワーが出ません。単車のみで運用する車でしすので、牽引できるパワーなくても問題無しですが。
メンテナンス性も悪く電池交換は列車を破壊しないとできません。(続) pic.twitter.com/LtMrMyXKvK
走行動画です。自作動力ゆえの低速感が却って心地よい。
「最も有名なゲテモノ」として、走らせたら人気者になりそうです。