京王8000系電車は1992年〜1999年製造。その後の9000系が増えたとはいえ、本線系の特急は未だ8000系が主力。
帯が鮮やかな二色になった今のカラースキームも8000系に始まるものです。5000系(初代)以来のイメージを刷新した車両でもありましょう。
(そして5000系2代が更にイメージを変えてくのでしょうね)
8000系は平凡な通勤形に見えて、乗ってみて快適さ・作りの丁寧さが分かる電車でもあります。新宿から八王子、高尾までの長距離乗車への考慮があるのは、同じ時代の小田急1000形に通じる「良さ」なのですね。通勤形もピンキリなのですよ?
近年、趣味的には先頭車の中間車化などの変化も気になるところ。
ここらはグリーン車時代の伝統?でしょうか(笑)。
さて。グリーン車と言いますと。
2015年から1編成がラッピングされ、復刻「グリーン車」の高尾山号になっています。なかなか似合ってる! この種のラッピングはイベント短期のことが多いのですけど、2018年現在も継続中なのは嬉しいですね。

5udon様が、「ボクらのブリック」合わせで、高尾山号も造ってくださりました。
京王グリーン車の色は解釈迷うところですが、この作品では「ブライトグリーン」を採用。この緑色は些か彩度が高いのですが、でも一番「高尾山号」のイメージに近いですね。ベストチョイスでしょう。

但し、代償はパーツ種類の少なさなんだそうで。
得られたブライトグリーンのパーツはこの種類だけ。これで電車を造るというのは無理があるそうですが。
でも、その無理を通した価値、あろうというもの!

8000系としての造形から観ていきましょう。
先ず、先に触れた厳しいパーツ種類の制約があります。その中で8000系らしい造形を極める……。というか、制約なくても自然にこの顔に収まったんじゃないでしょうか。
左右の大窓と、真ん中の貫通扉(非常口)のバランスが巧いのです。そして下方についた前照灯。
微妙な丸みや傾斜は割愛されていますが、それでも8000系らしい流麗感はあります。作風の差異や、はたまた全体の雰囲気やバランスも含め、無理して丸みや角度を付ける必要はない!ことを証明しておりましょうね。
スカートも緑にラッピングされてるのが特徴ですが、そこも制約下で巧くまとめておりましょう。5幅で表現してしまった感じに。そしてステップ部分を強調しているので顔に立体感・陰影が産まれています。
今回は高尾山号ですが、ノーマルのクリーム前面+銀車体も観てみたいですね(笑)。

4両編成。実物は10連固定ですが。戸袋窓も省略です。ただ、そうした割愛は気にならない作品です。無理に挑戦されていることが人を感動させるのですよね。

勿論、各車の春夏秋冬ラッピングも表現!
比較的シンプルなパターンとは言え、ラッピング表現は嬉しいものです。

春。桜。
側面の造作は先行のデヤ900に準じており、世界が揃います。

夏。
二昔前のステンレス車へのラッピングであるがゆえのリブ表現が出来ないのは致し方ないところですね。パーツ供給の関係で出来たタイル代用部の微小な凹みをリブに見立てるビルドはあるかもしれませんが……。でも、この色ではやはり無謀でしょう(笑)。割愛で正解です。

秋。

冬。
製作者の記事を拝見しますと、代用が多くてお見苦しい……というニュアンスが感じられますけど、そんなこと全くありません。
むしろ制約下でよくぞこの題材を! という感激が伝わってくるのです。展示したら人気者になるのは間違いありません。
高尾山号。2月17-18日の「ボクらのブリック」のトレイン運転会で登場予定です。
その後はケース内展示を行いたいところですが……? 如何でしょうか。5udon様。