秋田新幹線……もとい田沢湖線の標準軌化・高速化の際には1996年3月から1997年3月までの1年間、全面運休が余儀なくされました。
その間の、秋田への都市間輸送を確保したのは、北上線経由の北上〜秋田間の気動車特急「秋田リレー」号。
車両は新製のキハ110系にリクライニングシートを備えた300番台。キハ110系には既に急行仕様車もありますが、こちらは1年間の暫定仕様ですから、後に通常仕様車に改造することが前提になったいました。したがって、窓割などはノーマルのキハ110系同様。
都市間輸送故に3-4連を組むも、転用も考慮して編成には両運転台車まで含まれる。両運転台の有料特急用新造車が90年代末に生まれると誰が予想したでしょうか?
(昨今の観光列車などで特急扱いのは別枠で……)
1年後には予定通り、「秋田新幹線」に移行。異例の気動車特急は姿を消しました。
キハ110系の300番台は車内を通常仕様(固定セミクロス)に改めて、新潟・長野地区などに転じています。
せっかくのリクライニングシートは? 一説には217系のグリーン車新造に充てられたと。車体も座席も、綺麗に再利用されたのですね。

キハ110系自体凝ったデザインであり(ローカル線用にはもったいない!くらいの)、LEGO化は難しいのです。その上、300番台は竿燈色ともいわれた独特の中間色です。難易度は高い。
そこをうまく再現した前頭部です。
車体幅は6幅+プレート2枚分(約7幅未満)。同じくルビー様の701系と同じ寸法でもあります。5udon氏もJR系で採用してますね。
キモになっているのは、2017年新パーツのΦ2の1/4丸タイル(27295)でありましょう。このミディアムラベンダーが存在するからこそ、この題材が可能になったと?
(残念ながら、キハ110系標準車を再現できそうなオリーブグリーンが現状ありません)
無論、他の部分もキハ110系らしい造形を極めています。角ばってて、微妙な丸みもある。前面車体裾の逆テーパも嬉しいところ。パネル使った0.5プレート単位の調整がやたらに入ってるのも精密感を高めています。
電気系も含む大きめの連結器も良い感じ。

全身。現状で車体のみの落成です。
全長は44ポッチのフルスケール。個人的好みから申せば、36ポッチくらいのほうがバランス良さげに見えるのですが……。
ミディアムラベンダーのタイルorプレートを貼った屋根肩と車体裾が如何にもなキハ110系のボディです。そしてマゼンタの帯とドア周りが美しい。
車体側面は凝った作りであり、マゼンタ帯の真下はタイル表面組。帯部分は順組。窓まわりは横組とベクトルが何度も入れ替わってます。
完成が待たれるモデルです。
理想を申せば、両運キハ110+片運転台キハ111-キハ112なんて編成を見せてくれたら嬉しいのですが。特急らしからぬ編成こそが魅力でありましたから。