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2018年01月13日

【作品紹介】エース君のJR西日本 201系 大阪環状線。未来の国電の……今の姿はすっきりと。

 国鉄201系電車は1979年に試作車が登場。まず中央快速線に投入されました。

 今でこそ古い「国鉄時代の電車」のイメージですけども、その登場時は「国電のイメージを大きく変える」画期的なものであったのです。

 量産はやや遅れて1981年。中央快速線の他、中央・総武緩行線。そして関西地区では京阪神緩行線に導入されました。
 ただ、相当な高コスト車でもあり。重装備の試作車に対して量産車や量産後期車ではコストダウンを進めつつもそれでも高コスト

 ※:兵器の世界では「試作品が量産品より優れている訳がない」とか言われてますが、鉄道車両と連邦軍のモビルスーツは過剰仕様の試作品に対して、量産品が劣化版になってしまうのはザラなのでした(苦笑)。

 1985年の205系の登場で、未来の国電……も早くも終わってしまったのです。
(205系だと、国電・国鉄という感じが薄れてしまいますよね)

 その後の経緯ですが。
 関東では長く中央線・総武線で活躍し、後に京葉線にも転じましたが引退久しく。
 一方で関西地区導入車は京阪神緩行線から引退後は大阪環状線や奈良線に転用され、こちらは尚も健在です。
 
 側面は戸袋窓や二段窓が古臭い……と試作当時から言われてましたが、これもJR西日本特有の延命改造ですっきりした姿に改められており、却って完成度は上がっておりましょう。

 ただ、大阪環状線では新車導入が進んでおり、103系についで引退する日もそれほど遠くは無さそうです。
 

 エース君の作品は言うまでもなく、先に作られた201系に次ぐ大阪環状線仕様です。

 JR西日本流儀の更新で戸袋窓塞ぎ、側窓を半固定。雨樋埋込。すっきりした姿です。オレンジの4両編成はインパクトあるものですね。
 また、最近のエース君作品ではドア窓が埋まってるのも嬉しいポイントです。技術面というよりはパーツに余裕が出てこられたのかな?という感じではありますが。


 さて。あの前面です。
 80年代流行った額縁状の顔のなかに傾斜が入ってブラック処理されているという、凄く難易度の高い形状です。考えると気が遠くなるような。

 思い切って傾斜は省略されていますけど、それでも左右非対称の分割の上手さで201系の顔になっています。
 向かって左側の縦長窓は1x2をそのまま。向かって右の横長窓は1x1を使って細長さを強調されてます。そして全体として4幅の横組に収め、寸法的な整合性も取れてますね。

 もうひと頑張りで、傾斜もできそうな気がしますけど、無理はしなくても大丈夫でしょうね。自分も作るとしたら、傾斜は諦めて仕舞うつもりですよ!


 中間車。モハ200形か。
 屋根周りの仕上げが今後の課題になってきましょうか。


 エース君の関西国電 4本並び。
 103系は2編成。今度の201系。一番右は関西線仕様の103系です。
(あぁウチの101系も並べてみたいですよこの中に!)

 国鉄通勤型祭り、というのもいいものですね。
 何れも貴重な経験値になっているものと思います。
 
posted by 関山 at 23:59| Comment(0) | 国内の作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【作品紹介】薬師山様の新幹線923形電気総合試験車(ドクターイエロー)。的確なパーツ使いとバランス


 言わずと知れたドクターイエローです。世界で一番有名な事業用車でもありましょう。安全を守る、とても大事な車です。

 ただ、923形に代替わりしてからも結構な時間が立ってしまいましたね。700系由来の車も今は少数派になってしまってます。何時か引退の日も来るのでしょうか?

 この923形もレゴでの制作は幾度か試みはあったようですが、残念ながら完成に辿り着いたものはありませんでした。ここで薬師山様が遂に叶えられた由。既に0系の編成モノ実現されていますから、この流れも納得です。


 前頭部。700系とも共通します。
 700系は21年前のデビウ当時は賛否両論だった前頭部でした。それだけ実用本位で癖の強い形状であったのです。
 でも、21年経ってみるとあの顔も懐かしさを感じさせるものになってきましたね。

 薬師山様の解釈がまた素晴らしい。
 独特のクビレや膨らみを余ること無く、レゴパーツの力で解決しています。パーツの個性を活かした素晴らしきあわせ技。そこには「無理」がありません。美しく、そして愛くるしい造形があります。

 印象的なのは三角のウエッジを側面に使っていることでありましょう。
 大胆な、最適解です。

 台車はカバーリング。台車の上の微妙な膨らみを表現しているのもいい感じですね。全体にディテールは「強調」の方向です。良い意味で戯画的・イラスト的な作風でもありましょうか。

 この構造において、側ドアの凹み表現も忘れていません。平板な車体であるからこそ、映えます。


 先頭車から2号車への流れ。元来のレゴトレインスケール28ポッチを中間車基準ですから、バランスよく無理なく見えます。


 923-1。各種測定台を備える車。
 屋上の白いカバーがアクセント。

 小さな窓が、如何にもな事業用車感。
 あと、近年のJRC新幹線の大きめな号車表示が、1x1文字タイルとベストマッチ。これは嬉しいディテールです。何より、車両ごとのキャラクターが鮮烈になっておりましょう。


 923-2。高圧室。電気関係測定機械を搭載。
 大きなパンタカバーが鮮烈です。ここに奇数幅を採り入れています。
 2基並ぶパンタは1000形以来からの伝統ですね。

 高圧引き通しも印象的です。


 923-3。観測ドームと電気系倉庫。電力データの処理。
 高速形状の観測ドームがカッコイイ。そして高圧引き通し。922初代(元1000形B編成)では目立っていた引き通しが923で復活しているのですね(922-10/922-20ではなかったような)。

 観測ドーム、やはり奇数幅。そして屋根も平滑処理で新幹線らしく。


 923-4。軌道検測車。今までだったら921形を名乗りそうなものですが、923-4です。
 この車両がレゴ的には動力車になっています。2Mの強力仕様。

 軌道試験車らしい重厚な台車の代わりに動力台車使うのは良いアィディアですね。

 別系統の試験車であることを示すがごとく、白い屋根も印象に残ります。
 そしてやはり、引き通し線。


 923-5。多目的試験室と休憩室。観測ドーム。
 屋根上の、パンタ台風のものはなんでしょうか? ドアは二箇所です。また屋根上のポッチ出しも良いアクセントに。


 923-6。ミーティングルームと高圧室。
 おそらくですが、初代の922では4両で済ませていた編成が6両に伸びているので、車内配置は余裕あることでしょう。検査項目なども増えていることでしょうが、機材も小型化されていることでしょうし。
 次世代のドクターイエローは、どんな編成になるのでしょう?

 さておき、2号車同様のパンタ周りが魅力的ですね。そして、営業車のパンタカバーにも応用できないかと考えてしまうのでした。


 923-7。電気・施設測定機器及び、添乗員室。
 添乗員室は通常の客席同様の設備なので、一番一般営業車に近い車かもしれません?

 この後ろすがたもまた、クビレと膨らみを的確に捉えた美しい形状です。いや、700系/923形は角度によっては「醜い!?」とも言えるのですけど、薬師山様の解釈は美化など入れずに、その醜さを躱す。そして、実車の魅力を最大限に表現できていると思うのでした。

 923形は繰り返しますが700系がベースです。700系新幹線電車のモデル、応用で出来るかもしれませんね。元来あるべき営業車こそが、新幹線の王道なのでありますから。

 また、機会あれば拙作の922初代や911、921-1と言った事業用車たちと並べてみたいものです。
 


走行動画。お披露目の1月14日 梅小路レゴ展示会にて。
posted by 関山 at 23:57| Comment(0) | 国内の作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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