機械式のガソリンカーとしては最大級の19m級の大柄な車体。前端部はラウンド形状(傾斜のない流線型)。
戦後残存した殆どはディーゼルエンジンに換装され、また液体変速機を装備して他の気動車と互換性を得たものも多々。国鉄でこそ活躍は早く終わってしまいましたが、私鉄払下車は1970-80年代でも結構残ってものです。そして、最後の現役車は2007年まで鹿島鉄道で活躍。
また、中国大陸(撫順鉱務局)では電車の中間車として21世紀まで現役だった仲間も。不朽の名車であったのでした。
動力はガソリンエンジン、戦後一時期の天然ガス動力。
そして戦後の大多数はディーゼルエンジン。出力は95馬力から180馬力まで。尤も軽量な車体であったが故、おなじみDMH17形の180馬力でも十分なものでありましたが。
そのキハ42000(キハ07)の最大の異色車両がキハ07 901。
戦後製のキハ07 204を1968−70年に改造したもので、ヘリコプター用のジェット(シャフト)エンジンを搭載し、その出力は1000馬力! 当時のディーゼルカーはようやく最先端の試作車たるキハ91の500馬力が最大という時代。軽く二段階ほど、飛び抜ける。
前面は独自のFRP製のものに換装。然し側面はキハ07のママという不思議な姿。
磐越西線などで試験を行い、優れた成果を上げています。その流れでキハ391形試作車に繋がるのですが……。
……一度は断念されたガスタービン、まだまだ可能性は捨てきれない技術でありましょう。定速回転のガスエレクトリックを電気の補助に使うようなやり方で蘇る可能性はあるとはおもうのです。
閑話休題。キハ391の登場を前に、キハ07901は役目を終えたのでした。

ユニークな試作車でありますから、レゴ的にはもっと早くから注目されても良い題材であったのでしょう。ただ、この三木様の初めての作品化の筈です。
独特の前頭部をそつなくまとめ、赤とクリームの鮮烈な塗り分け。
そして原型の面影を残す側面は古風な印象。このアンバランスさこそがキメラめいたハイパワーテストヘッドの魅力でありましょう!
なお、側面はキハ42000形としても秀逸な印象把握でありましょう。
窓の位置が不均一なのは、横組と相性がベストなのですね。できたらドアに沓摺と、またプレスドアらしい表現があると、より前面や床下とのミスマッチが強調されてきそうですけども(笑)。

前面は二枚窓。稜線よりは曲面優先のガラス仕上げになっています。
ヘッドライト・テールライトの位置はやや内よせ。ちょっと愛嬌のある顔になっておりましょうね。
注目すべきは屋根上で、原型を残す、ベンチレータのたくさん並んだやはり古風な印象のもの。

イギリス国鉄APT-Eと。ガスタービン並びです。
1960−70年代は夢の内燃動車でありましたね。
あ、ウチのTGV001も持ってきたらガスタービン並びができたのでした(DBのVT602はリメイク前提の半壊状態……)。あとはどなたかがキハ391を並べてくだされば?
切なく儚い、夢の内燃動車はどこか通じるものがありましょうか……。

キハ07形のレイルロオド、ぬいれいなさんと。
ハイパワーで未来に希望を託したこの車は、一族の誇りでもありましょうね。
今後の活躍? 期待しております。
何方かキハ58(普通の)を造れば、磐越西線等での試運転編成を再現できそうです。またキハ07系同士の並びなんて言うのも楽しみなのですよ。