
レゴで軽快気動車(3セク鉄道などでみられる軽装の気動車。JRだとキハ120等)の作例は時折見受けられます。
しかし、その前に流行った「レールバス」の作例は多くありません。
レールバスは1980年代に一度、再評価・再発明されたもの。
元来バス用の部材を使った軽装な内燃動車というのは大正年間、内燃動車の歴史から始まっています(バスを線路に乗っけたのが内燃動車の起源なんですよ元来は)
そうした簡易な気動車は戦前戦後とボソボソと作られ続け、国鉄キハ01-03の大コケのあとは南部縦貫鉄道のキハ101・102がしぶとく生き残った以外は一度絶えた血筋でした。
再発明は1982年に富士重工がLe-CARを試作(1982年1次。83年に2次)したところで始まります。1984年以降、地方交通線の3セクへの移行は盛んに行われましたので、Le-carは結構な両数が売れたのでありました。
しかし。
鉄道車両としては華奢であり……というよりは、バス車体の寿命なんて元来長いものではありません。20年持てば御の字の世界。Le-carの多くは失敗したというよりは、元来のバス車体の寿命を迎えて退役していったという見方ができましょう。
で、メーカー(富士重工 乃至 新潟鉄工所)もそのへんは懲りたらしく、1990年代後半以降はこの種の軽快気動車も頑丈なものになり今に至ってる由です。
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いすみ鉄道(千葉県)のいすみ100形(いすみ200形)は1988年に同線の転換とともに導入されたものです。
LE-CARの中でも後期製造なので流石に二軸車ではなくて通常のボギー車。それでも幕板のほとんどない車体などバスに近いボディ。
7両が導入されたものの、順調に新車への置き換えが進み、現在は206の1両のみが残存している模様?


mugen様の作品は、見事に華奢なバスボディ……スケルトンボディの表現に成功しておりましょう。幕板がほとんどなく、窓そのものは観光バス用の転用品。上半分固定で下半分が引違いという鉄道車両らしからぬ雰囲気が伝わってきます。
(当時はこれはこれで、新しく快適そうにも見えたものでした)
ドアもまたバスらしい折戸です。高さ5ポッチ分の横組で、上部にブラケット入れて0.5プレート分の隙間埋め出来ているのですね。
一方で鉄道車両らしいのは乗務員ドアでしょう。あとは排気筒部分でちょっと車体構体が太くなってる箇所も。
全長は27ポッチで、20m級を32ポッチにする文脈に対して整合性がありましょう。この種の車は相対的に小さく見えたほうがいいです。

前面はひたすら真四角な印象がそれっぽい。ライトケースの表現には1x1プレートの裏面使ってます。まっ平らであるがゆえにワイパーの表現が良いアクセント。
なお、スカートの表現が好ましい。真四角な簡易なものであるんですが、これもまたレールバスの味でした。レゴ的にはタップ使ったジャンパ栓が強度面形状面で有利ですね。
屋根はタイル仕上げ。ミニマムなベンチレータ。後はやはりバス用の冷房装置です。屋根も真っ黄色なのはいすみ鉄道なりのおしゃれでありましょう。
黄色に緑帯、もレールバスには似合ってましたね。


もう一つの作品が、いすみ300形。2012年から導入されている現行の主力車両です。
こちらは新潟トランシス製のNDC。無論、今様の耐久性を考慮したものなのでしょう。
真四角な車体でありますが、随分印象が変わるものです。
幕板があることと、太めの窓柱が鉄道車両らしい頑強さに
300形はトイレ付きのため、窓配置も左右で異なります。ドアは引き戸に。ここも鉄道車両らしい。ドア表現はやや凹みがあるのが細かいですね。
またドア横の確認窓も再現されています。

前面は200形同様、4幅分の横組。但しガラスサイズや灯火の位置で印象は大きく異なります。手すりを巧くアクセントに使い、また、貫通幌も車両を立派に見せていますよね。
いすみ300形。福井レゴオフでは動力が付けられなかったため、予備車になっておりましたが、今後の活躍が期待されるところです。

一方で頑張ってたいすみ200形。走行は9Vモータの仮設です。
2両編成の連結はドローバーに依るもの。

新旧交代の予感?
なお、いすみ鉄道にはJR払下げの国鉄型気動車が在籍しているのも知られています。キハ52にキハ28。また、いすみ300形の最後の1両はキハ20 1303としてキハ20のレプリカ的な車両になってる由。なので、国鉄型気動車との共演も楽しそうでありますね!
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