地味に好ましいセットの多いシリーズでありました。
そのテーマを見事に採り入れ昇華したのがbikkubo様の意外な新作「アーキテック・トレイン」です。
前面のヘリ用一体部品の使用は薬師山氏の作品に通じますが、また違った処理です。より近代的な雰囲気に。1970年代なデザインが1980年代のリファインされたような風情でしょうか。整った姿であるのは言うまでもありません。一体部品を使いつつ、リッチな造形とも言えましょうか。或る意味「分かってる、通のビルド」です。
流線型でありながら連結器付きは嬉しいですね!
1-2号車。
1号車側面の白ラインななめ処理が巧いです。
1号車車内。各種装備を備えた機材室。
カンジキや無線機、そして各自のカップ。皆がコーヒー飲んでるのはレゴシティのお約束ですよね(紅茶なのかな?)。
2号車車内。わんわんわんわん。北極で共になる犬舎です。この数量を集めたのも凄いと思うのですが。側面ドアもスライド開閉です。
3号車。これが編成中の要でしょう。
無人ヘリの格納・発着ステーション。この車両のみ8幅。屋根は開閉。プラットフォームは上下可能。
ヘリのブレードも格納可能形状であるのが分かりましょう。
ヘリが居ない状態です。内寸を最大に確保しようとする構造がよくわかりますね。
ヘリの格納状態です。見事な「収まり」方。
外形。かまぼこ形の素敵な基地車。
用途・性格こそ違いますが、RT23ミサイルランチャー(列車搭載型)のような雰囲気が堪りません。
サイドのラインやポッチ出しも良い感じ。
そしてアウトリガも備えています。
アウトリガ展開状態。床下機器の作り込みもいい感じ。
4号車。この車もまた機材車。シャッター状の扉が開くと中には整備された機材が。このビジュアル的な魅せ方は巧いのです。
床下機器のギアなどは可動ギミックのごとく存在感。ダミーとのことですが、ダミーには惜しい存在感なのですよね。
そして、屋根は3号車に向けて傾斜形状で揃っています。
5号車。レーダー・通信車。
パネルなどの選択も大事ですね。
なお、各車にはきちんと「ARCTIC1-5」のステッカーが貼られてる由。
さて、この編成が鉄道車両的に興味深いのは、一見動力車入りのDMU(ディーゼルカー編成)に見せつつ、実は専用機関車に牽かれる編成であることでしょう。
専用ディーゼル機関車。既存の何処かの車両に見えないデザインでありつつ、きちんとディーゼル機関車としてありえる形状になっている。好ましい自由形です。
凸型で低めのボンネットは日本製か、はたまた欧州系でしょうか。
勿論、極地任務に必要なたくさんのライト群も。
なお、PF動力系をこのサイズに収めているのも興味深いです。後位のボンネットに収まってるみたいですね。
編成で。簡略化して製品になってくれたらなぁ……というデザインです。
通常の鉄道車両と並んでても様になるバランスです。
極地に鉄道? というと違和感ありそうに思えますけど、ノルウェー国鉄の北部であったり、ロシア鉄道の辺境地など、この種の列車の活躍できる、産業開拓の最前線はありそうなのですよね。余談ですが、ロシアには列車搭載のミサイルもありましたが、消防用の列車というのも存在しています。
そんなわけで大量の高側無蓋車やら、濃緑の客車などとかと合わせる機会があればと思うのです。