EF64の0番台とは形状も大きく異なるもので実質別形式です。国鉄電機の形状セオリーを久々に刷新した前後非対称の形状は今見てもユニークなもの。
国鉄電機としては新型に入るため、近年まで全機が揃っておりましたが、近年はご多分に漏れず引退傾向にあります。
残存機はJR東日本のものは国鉄色のままですが、JR貨物機は地区ごとに異なる更新色を纏っています。いわゆる「新更新色」は高崎配属のもので2003年から。関東では身近なものでありましょう。
さて。
なし様は8幅の電気機関車作品として、新日鐵八幡のE8500形(85ED-1形)がありました。究極的表現に挑戦したモデルでしたが、その流れでの国鉄電機モデル……となります。
あの作品も自作動力機(Lモータx2)でしたが、今度の作品も同様、Lモータx2で電池も大容量?な単3用とのこと。

前面。狭軌感と、重量感。
そしてデイテール。連結作業灯、ジャンパ、ステップ、ドアハンドルの凹みも。というか前面ドア1プレート分のはみ出しになってるのが効果的。
地味に、ワイパー表現まで。
一方で、無理のありそうなところは上手く割愛されています。手すりは8幅でもオーバースケールになってしまうでしょうか。解放テコはジャンパとどちらを優先するか……というところなのでしょうね。

斜め前。
一番重量感を感じさせてくれる。ローアングル。
前面下部の組み方、横組になってて、一部タイルが側面になっているのが印象的。テールライトの位置を適切に揃えるため……と思われます。ここは印象左右するので大事ですよね。6幅だとごまかせても、8幅だと露骨に気になっちゃいますから。
運転台側窓。1000番代の特徴たるアルミサッシ。近代的な感じを強調。
足回りはテクニカルな自作台車枠。
台車枠を作り込んでも違和感がなく、逆に言えば台車枠を作り込むことに意義がある8幅ならではの表現です。

サイドビュウ。実物は20m近くもある、長い機関車です。
B-B-Bの三台車、実物どおりの余裕を持って並ぶ。前後台車とスカートの間の距離が開いてるのも、また中間台車の前後にそこそこ空間あるのも「フルスケール」の威力でありましょう。床下機器も精緻です。
車体は斜めラインをスロープ構成。この組み方は微妙な隙間が生まれてしまうのですが、敢えて「詰め」てしまい、上部に隙間を纏めてしまってます。この発想はなかったですね……。
側窓は写真での左側1枚は斜めラインとの干渉のためか、2x2タイル。これでも違和感はありませんが、他の窓は2x2窓使ってのHゴム表現を行ってます。
地味に凄いのが屋上モニタ(右側)。グリルが微妙な間隙で並んでます。
JGFロゴ、無理なく表現できちゃってます。

反対サイド。
8幅フルスケールの魅力を全てつぎ込み、そのスケールならではといえるモデルに。
なし様の大型モデルも数を重ね、完成度がまた上がってきた感じなのです。一つの流れ、生まれておりましょうね。