
三木様のAPT-Eは2016年のJAMで登場した作品です。
実物は1970年製造。72-76に試験。その後博物館入りした由。ただし、あらゆる部分が先進的だったAPT構想は断念されています。それゆえつい「英国面……」とか言われてしまう車輌ですね(一方で同時期のHSTは保守的な設計であり、こちらは今なお健在ですが)。
実物はガスタービン電気式で、かつ振り子式。傾斜角は大きなものでした。
軌道の大規模改良(=新幹線)を行わず、高速運転を行うというコンセプトに基づきます。仏TGVや独ICEは在来線にも直通しますが、高速運転は「新幹線」部分のみですから、無茶がわかるというものです。
閑話休題。三木様の作品が今回、振り子機構を搭載してきました。

いきなり物凄い写真ですが、これが「振り子式」のフルモードです。脱線転覆事故じゃないんですよ!
十分な傾斜角は実物どおりでありますね。そして、走行難度の高いS字も余裕でクリアしていることの証でもありましょう。
傾斜はレゴトレインでは既に何例かある、台車の回転角を楔で車体傾斜に伝える方式です。実物ではありえないですが、如いて申せば強制振り子ということになるのでしょう。

おとなしめの傾斜状態です。2両目と3両目の傾きがわかりましょう。
APT-Eは連接車の連結ドラム部分に昇降口があるという特異な形状ゆえ、振り子の効果もよくわかります。
4両編成は、試作車の実物通りです。
スロープパーツで構成のソリッドな印象は、実物のアルミソリッドな印象と重なるものですね。
振り子機構に関しては、後述します。

例によって、不幸が滲み出そうな並びです(笑)。
ただ、APT-Eは4年もテスト重ねて、APTに繋がってますからね。決して駄っ作機(英国機がおおいよな?)ではないのです。多分。
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ベビーディルティック 23形ディーゼル機関車も車体高さを1プレート上げる改修を受けて、十分なボリューム感を得ました。客車と高さが揃うようになり、前作時にあった違和感が解消しています。ベビー、とは言いますがディルティックエンジン搭載の機関車というのが巨大なものですから、そこそこの貫禄は必要なのでありました。

状況に応じて、1Mにも2Mにもできるそうです。
要点を上手く抑えた、英国型ディーゼル機関車モデル。

またもや、不幸な組み合わせ?
23形ディーゼル機関車も、製造が10両にとどまり且つ短期の引退でした。変態的ディルティックエンジンのためではなく、副次的原因と言われていますが。

英国のディーゼル機関車に、アメリカ風な日本型客車の組み合わせは意外と似合うのは愉快です。鉄道模型ならばホーンビィ+バックマンってとこでしょうか(笑)。
いや、イングリッシュプルマンはそろそろ作りませんと。MarkI初期車もいいなぁ。

そんなわけで、三木様の英国客車。これはMarkIII。HSTの中間車にも、機関車牽引にも使えます? 2等車。


同じくMARKIIIですが、HST試作編成のの中間車専用。1等+食堂車(或いは1等客用の食堂車)。なんとも大時代的話ですが、流石に量産車では等級差別のない食堂車になったようです。
(誤解なきように記せば、英国は3等車でも「そこそこ豪華」で、仏独の2等車相当でありましたが。この辺の文化史は面白いテーマでしょう)
このカラーリング、1970年代のプルマン専用列車(MarkII?相当)にも使えそうですよね?

さて、気になる振り子機構です。il氏のものを参考に<<続きを読む>>