また、そのラージスケールを活かした造形や質感、ディテールを見せてくれる高度な作品が。
その流れをさらにブーストするであろう? 8幅ならではの魅力・威力を更に示してくれる作品の登場。

k,mastubara様としては昨年の札幌市電に次ぐ日本形作品。
もちろん8幅、そして言うまでもなくフルスケールモデル。
先の作品でも共通する作風なのですが「一見、レゴに見えない」
1番ゲージの鉄道模型か、はたまた博物館の展示用ディスプレイモデルが走行してるかの如く。
しかし、それを可能にしているのは「無理のないパーツ解釈と、見立て」なのですね。細密なモデルの中、よーく見ると、見慣れた部品が使われているのがわかります。そして纏め上げるは見慣れた、手練れの技法
異世界、遠い世界のモデルに見えるこの作品。
意外と、近くに居るのかもしれません。
車体の大部分は無理せずに順組。
床下機器の精密さは新灰表現だと際立ちます。小型郊外電車然とした台車枠。そして8幅ゆえのナロー感(ただ、この電車は標準軌の電車ですが)。
おおっと思わされたのは車体裾。前面の逆テーパに合わせるため、全体の車体裾が1ポッチ分のタイルの横組になっています。これが通常あり得ない表現であるがため、良い意味で「レゴらしからぬ」雰囲気に繋げておりましょう。

前面はL形のパネルと2x2のパネルを巧く組みあせててピラー表現・折妻表現を行っています。
控えめのライトケースが上品ですね。
天窓部分はカーキャノピー部品使うことで透過度を確保しています。また連続窓部分では細ピラーの表現にも。

こちらの側面は窓部分横組ですね。4幅分の横組で側窓構成はラージスケールならでは! 適度なバランス(製品でありそうな程度?)の自作ステッカーも見逃せません。
なお、ご意見付けるの抵抗ある作品ですが、個人的には床下機器のボリュームはもう少し控えめにしたほうが、足回り重苦しく見えなくてよいかな? と思ったり。

それでも、小さめの台車と、車体のバランスは、小型郊外電車としてベストなものだと思います。
全体のフォルム・バランスがきっちり1/1であり、なおかつレゴらしいアレンジも両立しているこの作品は偉大なものでありましょう。
さて。
このスケールのリアルティと質感を目指すか? つまりは「仲間になる」か?
はたまた、6幅や7幅など、ショートスケールのモデルにもこの雰囲気を取り入れ、どこまで迫れるか挑戦してみるか。つまりは「抗う」か?
なまじ身近な日本形であるか故に、この究極的作品が突きつけるものは大きいと言えそうです。無論、自分のスタイルを貫く選択肢だって!