EF200形以前の時代ですので、無論当時の最高出力機。
前面は角ばってた基本番台とは違い、大きな丸みを帯びたスマートなものに。力と速さに新たな魅力を追加したのです。
ところで、基本番台の造形は1966年のEF90形に始まるもの。
そして1990年の100番台。自動車で言うなら
「同じ車種の1966年モデルと、1990年モデルの差異」
を思わせるデザインの変遷ではありますね。自動車と違って鉄道車両はライフサイクル長いので、この両モデルが第一線でも併存しちゃったりするのは違いですが。

以前、前頭部のみを軽く紹介しましたが、その地点で期待を膨らませてくれたモデルでした。遂に、1両まるごとが完成です。
1幅広がることの表現力を使い切ってる、素晴らしい造形!
上に窄まった車体断面形状。6幅のキャノピーも程よくオフセット。
横に組んだライトケース周り。
十分な腰の高さを持ち、それが力強さに直結する足回り。
その上に、魅力的なディテール部品。センターピラーは外付け表現。窓下の手すりも兼ねるもので、最密度を上げています。
(この表現、他題材にも応用できるものでしょう。平凡なキャノピー部品が化けてます)
変形フィグアーム使った解放テコ周りも堪りません。
EF66 100もそうですし後世のJR電機群。はたまた昨今の欧州系電機もそうですが、スマートな車体と、「機関車」であるが故のゴツさに繋がる要素の共存って魅力ですし、モデル化にあたっては意識したい部分でしょう。

側面。全長38ポッチ。
フルスケールの6-7幅くらいの客貨車がとても似合いそうです。
窓数も省略なし。ただ、ルーバー部分は省略です。この題材においては省略も一つの手段に思えてきますね。下手な表現だと、全体の魅力をスポイルしてしまいますから。
(1x2のグリルブロックだと、側面がせせこましく見えるリスクがあるように思えます)
乗務員ドアも上半分が斜めに(!)。その横にはステップも。
足回りは中間台車を、片方の台車に連結しての表現です。
連結していない側は、視覚的に隙間埋めしてるのが嬉しい配慮。
やや惜しまれるのは、台車枠の表現が無いこと。7幅なら車体からのはみ出しなしに台車枠を盛ることもできましょう。
また、高い床面で電気機関車らしさのアピールが出来ておりますが、台車と車体の間隙がやや気になります。台車枠作る際に、何らかのパーツ埋めること出来たら鬼に金棒でしょうね。
なお、スカート前後の隙間は致し方ないと思います(台車マウントのスカートはカーブで大きく振れるため)。
このスカート形状が好ましいので、下手に弄るのは作品の魅力を殺いでしまいましょう。

その、カーブ通過の様子。
台車マウントのスカートが左右に振れるのはやむを得ないのですね。でも、形状優先です。斜めの美形は譲れません。
そして、性能優先でも。連結器は車体マウントよりも台車マウントの方が安定・安全なのです。
それにしても、カーブに佇むその姿も美しく、力強い。

キャブ周り。
7幅に対する、各部オフセットの加減がよく分かりましょう。
「斜め」とオフセットの使いわけも巧いと思うのです。
力強さとスマートさの二重奏。
電気機関車のモデリングの可能性を広める1作でありましょう。
— クロック (@crocklego) 2017年6月4日
魅力もより伝わる、走行動画です。「大先輩」ED11を従えているのも感慨深いのですね。