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恥ずかしながら、EF60形電気機関車(1960年製造)が未だ現役(動態保存)なのを失念しておりました。また、19号機はやすらぎ色のイメージ強かった。
でも、今は国鉄色なのですね。
EF60形。言うまでもなくF級新型電機の始祖形式。この改良でEF64やEF65が生まれ、国鉄時代の流れを造りました。とはいえ、EF60の初期型(19号機もそれ)を今の目で見ると、前面の二枚窓や側面など、それ迄のEF58などとの共通性も感じられたりもします。
一般貨物列車用の0代と特急旅客用の500代があり、それぞれに車体形状が二種類ありました(後期型はEF65と同形です)。大多数は1986年に退役、廃車となりました。
それから30年。今やビンテージ・ロコ。歴史の重みある機関車です。

実物写真。k.matsubara様撮影<2017 04/08>。現役の証也!
さて。
この機関車もEF81辺りと並んで「レゴ6幅では難しい」とされてきた機関車です。理由は割り切るにも割り切れないセンターピラーの存在。レゴがレゴである以上、あの細いピラーの答えが見つからない!

アイン様の作品、前面窓を1ポッチ分の横組にすることでピラーをプレートで表現しています。
前面窓の空間は高さ3プレート分。それに対して1ポッチ=2.5プレート分。
微妙な隙間ができますが、視覚的にまったく気にならず、寧ろHゴムの表現に見えるのですね。
この割り切りと技法は有りだと思いますし、他の国鉄電機にも広範に応用できそうです。EF81やEF80はもちろん、角度つけたらED72とかED73辺りも……?
一方、やや平板な印象あるのは残念。でも、解放テコやステップの追加で大化けしてきそうです。
細部ですが、ライトケースの表現。タイルのグローブ部分を上手く使ってます。それっぽい! また連結器両脇の通気口も印象的です。

前面形状は1種類に絞りきれなかったようで、反対側は別形状。
こちらは実物の稜線を意識されたもの。平板な印象はこちら側では皆無! また、僅かながら前面下部中央が外に張り出しますので、前面傾斜の表現にもなっているのですね。僅かな後退角と僅かな傾斜、この機関車をとてもスマートに魅せます。
テールライトの位置も含め、個人的にはこちらの顔のほうが好みです。
ただ、この形状だとヘッドマークの取り付けが困難という欠点がありますが。
(あと、将来的に500番代作られること考えると、この構造のままでは不可?)

サイドビュウ。B-B-Bの車軸配置はB-Bへの割愛ですがこのスケールでは気になりません。無理なくゆとりがある足回りは電機らしいです。
惜しいのが床面高さが電機にしては低いこと。電気機関車は客車と編成にすると床面が高く見えるので、1プレートでも床面上げ、車輪と床面の間に何らかのディテール入れると、スマートで速そうで、そして力強い印象が加わると思うのですが。
また、サイドの窓のラインは運転台や乗務員ドアも含めて上下位置が揃っている方とより美しくなります。センターの窓2つとルーバーも横組みにされると、やはり化けてきそうな……? 青のグリルブロックが足りないなら(さり気なく今は希少部品)、濃灰での代用もありだと思いますし。

列車を牽いて。EF60とシナサロの組み合わせは決して多いものではありませんでしたが、皆無ではなかったようです。見慣れた?EF58やEF65の組あわせとも違う良さがありますよね。凄く、似合ってる!

やはり、EF60の床面を1プレート上げると、客車に対する高さ方向のボリューム不足も是正できそうです。
EF60はよくぞ作られた! と言える題材です。
そして、改良やら応用のポテンシャルもとても大きな作品といえるでしょう。