公式動画
平たく云ってしまえば、双方向通信対応のS-BRICK。
S-BRICKをご存じない方向けに説明すると、英国開発の社外品で、レゴパワーファンクションをBluetoothで4chまでコントロールできるデバイス。Kickstarterで資金募集し順調に成立。そして現在は「市販(通販)」中。無論日本への発送も可能。
但し、価格が純正の赤外線受光ユニットより高いので(高機能な分、当然ですが)、トレイン用に沢山使うという用途には向きませんでした。
で……S-brick PLUSは双方向通信対応。サイズや形状はそのままで。
双方向だと何が出来るのかといえば、レゴWedo1.0のセンサー(ティルトセンサー 9584/近接センサー9583)が接続できます。
これで価格も10ドル高いだけ? 69ドル想定とのこと。
(Wedo1.0やwedo2.0よりも低価格!と。無論EV3なんかよりも)
Wedo2.0が事もあろうにパワーファンクションとの互換性を切り捨てた独自規格ですから、S-brick PLUSの存在意義は大きなものでしょう。
また、Wedo1.0はソフトウェアが高価だったので(フリーソフトはあるらしい)、s-brickによるソフトウェア・サポートも魅力になりえます。
PF入出力+PC接続でプログラミング。
「多くの方が望んでいたであろう、小型のPF版マインドストームが69ドルで実現」
と称しても良いのかもしれません。
思えばレゴ本家のマインドストームは……NXTにEV3と機能と価格が肥大化しちゃってますからねぇ(苦笑)。
思えばRCXは価格も無茶なものではなく、通常のテクニックモーターを使うシステムでレゴ一般との親和性がとても高かった(但しユニットはバカでかかった……)。
その復活を望む方も多いことでしょう。
「小さくて」安くてワイヤレスで、PF機器が使える「マインドストーム」。
何で公式が作らないんだ? という気もしなくもないですが、既に実績あるS-BRICKが手がけてくれるなら「有り」といえましょうか。
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さて。いろいろな用途が考えられるこのデバイスですが、トレイン的な応用を考えてみましょう。
ユニット車載も可能でしょうが(考えてみたら凄いことです!)、ここはコスト重んじてユニットやセンサーは全て地上側装備。9V前提で考えます。
近接センサーを両端駅に置く。実はNXTやRCX(※)でも困難だったことが簡単にできてしまう……?
S-brick PLUSの電源供給ポートを9Vスピードレギュレータに(電池でも可)、出力を9Vレールに接続。入力に近接センサーx2を。
列車(9Vなら何でも可能)を走らせる。駅のセンサーが検出。
S-brick PLUSが停止/逆転を行い、反対方向へ走行させる(加減速も可能)。
反対側の駅のセンサーが同じことを行う。
※;RCXの出力は電圧は9Vあったものの電流が小さく、9Vレールに接続しても満足に列車は走らせられなかったのです。実験済。
無論、プログラミングも自由に出来るのでしょう。
スペック上でセンサーは何個使えるのか分かりませんが……。4ポートありますがその全てをセンサーに使えるのなら不自由はなさそうです。
入力面ではスイッチバック配線など。
出力面ではポイントの操作や信号機点灯など色々できそうですし。
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夢のデバイス。S-brick PLUSですが、懸念を幾つか。
操作用のソフトウェアの開発環境は平易なものなのでしょうか?
「教育用」をも売りにしているので本家レゴ社の物同様、プログラミング言語の知識のないユーザでも使えるものと信じたいですが。
自由度あっても、難しすぎるのでは困ります。
また、wedo1.0が既に生産中止である以上、そのセンサーに依存するシステムは将来性が不透明です。S-brick plusのお陰でwedo1.0用センサーが世界中から払底し、プレミア価格じゃないと手に入らないって状況は本末転倒です。
(注:今はアフレルに在庫あり。2800円という現実的価格です)
理想を申せば、s-brickがセンサーユニットも用意(自社生産)してくれればと思いますが。出資プランではセンサー入りのセットも幾つかありますが、レゴ社製の在庫確保してるのか?
或いは、レゴ社がS-brick plus用にwedo1.0用センサーを再生産してくれるか……。
そのあたりが「なんとかなる」なら、これまでのs-brickよりも大きな市場を拓きそうな予感なのです?