ほぼ円筒のような丸みの強い車体断面はあの時代ならではの大胆な試み。名鉄といえば2ドア転換クロスという時代が長かったのですが、その先鞭をつけたのもこの形式です。
(3400系などの先陣はありましたが)
全車電動車の4両固定編成で登場。後に6連化されるも中間車2両は後続の5200系に転用されて再度4連化。軽量車体ゆえの痛みから随所の更新を受け続けたものの、1986年には5300系への車体更新のために引退してしまいました。
物持ちの良かったあの時代の名鉄にしては異例の早期引退? いや30年も使っているので鉄道車両の寿命としては寧ろ常識的なものでしょう。更新の5300系も既に退役しています。
前面は2枚窓の「湘南スタイル」亜流ですが、曲面ガラスまで使っての丸みの強調は別文脈のデザインと評してもよいでしょう。
この作品もそうですが、模型の造形的にそれは痛感させられるところですね。

Dyson様のモデリングは、徹底して実車の丸みの表現にこだわったもの。
車体断面そのものは既に5200系の中間車で実践済の、車体裾に2x2カーブスロープを並べたもの。屋根肩も丸ブロック!
それに見合う前頭形状でなければなりません。
カーブスロープを駆使した丸みの強いスタイル。
前面においても裾の逆テーパまで再現。
センターピラーも省略なし。
……というものが生まれました。美しい。
正面窓にさえカーブスロープを使っています。これはブラックアウト処理だからこその技ですが、他の作品も含めてトランスブラック窓が標準仕様のDyson様作品ならではの割切でしょう。
(とはいえ、タイル+ポチスロで更新後の細ピラー入った平面ガラス仕様も有りかもしれません。あとレゴ社さっさと1x2カブスロのクリア系リリースしやがれです)
もうひとつ注目したいのは屋上機器。ラインデリアによるスマートな平面屋上ですが(あの時代の流行)、グリルタイル側面を活かして換気口が見える! コダワリです。
いつもの仕様ですが前サボと種別板。また、適度に目立つ角形テールライトも印象的です。1970年代末〜1980年代設定で良いのでしょう。列車種別に「高速」あった時代。

別角度より。傾斜させた正面窓とおでこ部分ですが、若干の隙間も違和感なく仕上げられています。床下機器は空気系と電気系が作り分けられてる感じ。
連結器は標準仕様のバッファ付きですが、この種の題材では幸いにも違和感がないですね。

5200系と組んでの8連。SR車同士の8連「高速」は華のあった運用でした。此れは未だ揃ってる方ですね。SR車の6−8連は5500系に5300や5700。ときに7000系列も混ざるという楽しさだった筈。

5両目と8両目の車体断面形状が違うのが目立ちますが、こちらの方が通常の角形車体なのです(笑)。5200系の方はいつも不揃いな編成だったのでした。

連結部分と、中間車。
流線形と貫通型を繋いじゃうのは名鉄の日常。
2連窓の車両は窓数の印象が結構シビアですが、この作品は先頭車はドア間に窓4組を2組に、中間車はドア間に窓5組を3組にアレンジし、違和感なくまとめてます。
車体裾の丸みあると、軽快そうな走りが写真からも伝わってきますね♪

背景にパノラマカー(AP氏)を使ってしまう贅沢。
支線連絡のある分岐駅での、今思えば豪華なひとときを思わせます。
余談ですが、パノラマが「普通」で、手前の800形とかが「高速」かもしれませんよ? それほどカオスでした、昔の名鉄。

同じくDyson様の850形と。
作品の文脈が揃ってる。流線形同士の並びはやっぱり、感動的なのです。