先方の記事こちら
http://blogs.yahoo.co.jp/yakko35_21/55906517.html
名鉄キハ8000系は1965〜70年に製造された高山本線乗り入れ用気動車。
名鉄の高山乗り入れは戦前も電車(モ750の畳敷)や国鉄客車を使って行われていましたが、それを本格的に復活させたもの。当初は準急「たかやま」でした。後に準急制度廃止で急行へ。1975年には特急「北アルプス」に変更されています。
アコモデーションは「準急」ながら、当時の名鉄電車に合わせたもの。すなわち転換クロス・固定窓(連続窓)・冷房付。当時の国鉄特急車に匹敵するものでしたし、それ故に後年の特急格上げにも至ったのでした。
最盛期の1970-83年は二往復が設定され、乗り入れも富山地方鉄道の立山まで至りました。私鉄車両が国鉄線を介して他の私鉄への乗り入れ果たしたのは稀有なことですし、地鉄線内での間合い運用まで存在しました。
(また、名鉄線内での間合い運用もあった由)
但し、地鉄乗り入れ終了後は零落してゆきます。キハ8000/8050/8100/8150/8200の5形式12両も1980年代後半はキハ8200形の5両のみに縮小。運行も高山への1往復のみになってしまいました。
1991年。後継のキハ8500形が新造されます。キハ8200形5両をキハ8500形5両で置き換えという形で引退。
そのキハ8500の「北アルプス」も後年廃止されています。
キハ8200形には末期の1989年。高山から神宮前まで乗車したことがあります。
製造から20年経てましたが小汚くなることもないのは大手私鉄の看板車両故! 国鉄のキハ82がすぐボロくなるのとは対照的でした。「ひだ」のキハ82とは比較されがちだったと聞きますが、キハ8000でもハズレってことはなかったんじゃないでしょうか。シートピッチが10mm狭く、車体幅が100mmほど狭く、ついでにエアサスではなくコイルサスだったんですが、その辺は気にならず。寧ろ連続窓+横引きカーテンが優等車らしい風情だったと。

AP様の製作年代は1965-70年位の姿。デビウ当時の「たかやま」と思ったのですが、1970年製のキハ8200形が含まれるのでやや変則。美味しいどころをとった3連です。
7幅という、ベストバランス?なラージスケールには羨望を禁じえません。
7幅故の表情は、貫通幌の中に現れる。愛称表示や桟板などのディテールが堪りません。貫通幌はレール付プレートのはみ出し仕様で、これもスマート。真似したい!
スカートでは双眼鏡使ったジャンパ栓表現が印象的です。これも真似(略。
屋根上に目を向けてみると3幅の空調機カバーがまた好バランス。車体幅と調和が取れています。新灰と新濃灰の配分もまた美しい。
屋根肩は丸ブロック使用。ポチスロ並べるほうがコスト的には有利ですが、丸ブロックの優雅さはこの作品の印象とも。
とはいえ、6幅だとまた違うモデリングになって来そうです。
(6幅での制作を考えておりましたので。未だ諦めてない!)

キハ8000形。1エンジン+発電用機関の運転台付き。1965/70年に計3両製造。
(他に2エンジン中間車のキハ8050形2両あり)
床下機器の配置に余裕なかったため車端部搭載のラジエータが特徴でした。当然、再現。で、その上の丸タイル表現が素晴らしいのです。
側窓は横組。2x3パネルの「補強付」は十分、Hゴムっぽい表現に見えます。
台車はリンク部分の表現が目を引きます。6幅だと些か大仰になってしまうかもしれませんが、7幅車両だと調度良い塩梅ですね。

キロ8150形。私鉄では他に伊豆急にしかなかった1等車(1969-70の短期間 グリーン車)。1エンジン+発電用機関。中間車。1965年に1両製造(他に運転台付のキロ8100形1両あり)。
但し、1970年には普通車格下げと運転台設置が行われ、キハ8100形になりました。格下げ後も窓割りはグリーン車のままでしたので目立つ車だったそうです。
この作品でも、狭窓が連なるグリーン車らしい風情。グリーンマークか「1」の表示がほしいと思うのですがどんなものでしょうか……?
床下機器は何故かこの車だけ灰色で仕上げられていますが。気動車のみっちり詰まった機器って灰色表現だと様になります。ただ、黒も締まった感じはしますので、AP様も決めかねて両方試されたと思うのですが、如何なものでしょうか?

キハ8200形。2エンジン+発電用機関という日本では唯一と思われる3エンジンの気動車。その御蔭で全長は21m級。長らく、名鉄で一番長い車両でもありました。
増発・増結用に1970年に5両製造。グループの中では最後まで残りました。
(とはいえ21年の寿命ですので、キハ8500が今なお35年も使われ続けること思うと、昔の車両は華奢だった……ということになりますが)
車端部のレイアウトが面白く、ラジエータ室の向こうにトイレがあります。屋根上もここだけ空調機カバーが切り欠きです。
ともあれ、国鉄の特急形気動車……キハ82やキハ181よりは車上のデッドスペースは少ない合理的な設計。ここは私鉄らしいとも云えましょうか。
ほっそりした姿は先のキハ8000形とは違う雰囲気。実物もレゴもそうですが、全長違いの印象って意外と鮮烈です。

同時代の名鉄本線のスター。7500系と。
1965-1984年ころまで、この2つが名鉄の二枚看板! 感慨深い並びです。
AP様の次の名鉄も期待したいところです。次は何が来ますやら……?