先の訪朝時のことです。
二日目に北朝鮮のガイドさんに仕事のことなど割と根掘り葉掘り聴かれ、カンザンブリックのことやイベント出展のことなど何とか伝えました。レゴは主張先の香港や中国では見たことあるとのことでしたが。
説明するために、スマホに入っていたイベントの画像などを幾つか見せています。反応は凄く良いものでした。
その夜は何もなく。世間話盛り上がったなぁ……程度のこと。
その次 帰国を前にした3日目の夜、高麗ホテルに戻ってから急の呼びだし。
昼に何かヤバイものでも撮ったか、冗談軽口程度でも不味いこと口走ったか……? と一瞬不安になりましたが、観光客で「日本人で」帰って来れなかった奴はいないと(笑)、2階バーでの呼び出しに応じました。それ以前に、あの国では断ること出来ませんし。
ガイドさんと、あと、中年の男性が数名。
一目見てわかります。雰囲気は友好的なものでした。
すぐに名乗りが有り、現地の鉄道省と「文部省」(翻訳されてもうまく聞き取れなかったので、意訳)の方らしい。無論、事情が事情ですので名前や肩書を記すのは控えておきます。
「素晴らしいので、レゴの鉄道作品を平壌で展示してもらえませんか」
当然ですが、北朝鮮には真っ当な鉄道模型はありません。製品のレベルはもちろんですが、自作するマニアも居ない国です。
故に、動く鉄道の模型である程度のリアルさがあり、街などの景色も作ることが出来るものはとても有り難い……そうなのです。
つい、リップサービスに乗ってしまいます。
「赤旗1」や「主体号」は大好きな車両なのでぜひ造ってみたい。客車列車には金正日総書記が提案されたという客車形電動車も加えたい。

<参考画像。赤旗1形 直流電気機関車>

<参考画像。客車形電動車。北朝鮮ならでは>

<参考画像。平壌地下鉄100形>
「平壌駅」や路面電車、地下鉄の新型車なども。ただ、現地で協力者が確保できないので、一人で搬入と設営の出来る規模での展示しか出来ないと答えておきました。

<参考画像。平壌駅>
3x6m程度の展示面積に、複線と路面電車、平壌駅と朝鮮風民家辺りで落ち着きそうです。ただ列車は5−6本造っておきたいですが。濃緑たくさん必要になりそう(苦笑)。
規模はそれほど大きくできないのですが、それでも動く鉄道の模型は嬉しい、とのこと。子供も喜ぶし、教育的効果も期待できるとのお話でした。
※無論、ヤバゲなものは置きません。作りませんよ! 車両も北朝鮮オンリーです。
なんと「中国との国際列車」でも渋い顔され、現在の微妙な中朝関係を感じ取りましたので。専用列車も不敬なので聞くまでもなく遠慮。
ただし、日帝時代のは良いそうです。金剛山電鉄の電車とか造りたいデロイも。
期間は先方は長期希望でしたが、当方の仕事などの事情も説明して2週間にしていただきました。会場は未定ですが、教育関連か鉄道関連でそれなりの場所を用意してくださるようです(学生少年宮殿を出来れば用意したい、との話。だとすると身に余る名誉)。
ただ、平壌のどんな場所でも停電は起こるので9VよりもPFの方が望ましいという流れになりましたが。単4電池は安定して手に入るんかいな? 多め持込必須。
時期は、秋を予定しています。何らかの記念日合わせしてくれるみたいです。
問題はいくつか有ります。
この種の展示や催しは日本政府から何らかのストップがかかる可能性。ただ、企業ではなく個人での話なのでどうストップするのか分かりませんけど。
合わせて作品の輸送は全て中国経由ですが、全額向こう持ちの費用は兎も角、破損や紛失のリスクなど。あちらに持ち込みできても、日本への持ち帰りが問題になる可能性はあります(日本で購入したデンマーク製品に何をいうのか!という感じですが)。
あと、鉄道便は扱いが不安なので、北京経由の航空便を要請しましたがどうなることか。
ただ、これが成功すればメリットは大きいです。
特に北朝鮮鉄道省とのパイプが出来れば、これまで実現しなかった奥部への鉄道調査が可能になるかもしれません。無論、「見返り」としてお願いしておきました。研究面で大きな進歩があり得ます。
また、細かいことですが平壌市内の宿舎は羊角島ホテルか高麗ホテルを確約してもらいました。ここしか外国人を安心して止められる場所もないのですけども。食事なども外国人観光客待遇でしょう。それなら安心では有ります。また大同江ビール呑みたいですしね。

言葉の問題はありません。全監視もとい日本語通訳付ですので……(苦笑)。これはこれでこの国の流儀なので已むを得ないです。
読者の皆様も参加できる見学ツアーは組めたら組みたいですが(お手伝いも欲しいです)。国が国なのでちょっと難しいと考えています。この辺は追ってお知らせします。
一応、年末くらいに何処かで場所借りて、国内(東京か横浜)同じ展示を行うことは考えています。無論、「すべてが無事で」ならですが。

<主体思想塔にて>
なお、海外展示のオファーは今回が初めてではなく、去年の今頃に実は台湾からの展示オファーがありました。台湾の車両も日本のも両方あり。台湾のビルダーさんとの交流ありで……という話だったのですが、先方の要請される期間が長くて話が合わず、流れてしまいました。
初海外展示が北朝鮮というのは正直緊張しますが、折角の機会です。「距離的には」近い国です!
頑張ってみたいと思います。
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昨日は4月1日ですよ!で、流石にコレを信じる方は居ないでしょうと(去年のレゴ社がメルクリンに鉄道玩具部門を売却はウケ良かったですけど)。
飽くまで全面的に冗談。いや先方で飽くまで世間話として仕事の話をしたこととか、台湾からのオファーは本当ですが。
……でもなぁ。お誘いあったら逝っちゃうかもしれません? 真っ当な鉄道模型のない国でもそれなりに作れて、展開できちゃうのはレゴトレインのメリットではあるんですよね。タダで旅行できてタダ飯タダ酒なら言うことなし?
でも、拉致られていくのはイヤですからね! あっちじゃbricklinkの荷物届くかどうか怪しいし、そもそもpaypalで送金が出来ない(北朝鮮はダメ)。
さて。
実は初めは「北朝鮮の玩具メーカーとの協業で啓蒙みたいなパチ物ブロック製造」とかネタに考えてたんですが、彼の国の余りにヤバ過ぎる経済情勢と、西側との経済制裁どころか「中朝貿易さえ危うい」現状ではリアルティが皆無なので諦めました。
というかしょっちゅう電気が止まる国で玩具工場稼働させられるかって(苦笑。
最後に余談。海外展示、去年マジであった台湾とか、中国や韓国辺りなら応じられます。
……全費用をお願いすることが前提ですが。