レゴ画像掲示板より「蒸気機関車」
art様の作品。自分も長く気が付かず、先日suu氏にご教示受けた次第です。
(art様……こちらはご覧くださってるでしょうか?)

特定のモデルは設定されていないようですが、明確にアメリカ型と分かります。
車軸配置は1D2形。所謂「バークシャー」と言われるタイプです。日本ではD60・D61・D62が該当しますが、これらは1D1の軸重低下を狙った改造機でいわば格落ち。
しかし、アメリカのバークシャーは寧ろ1D1のパワーアップを図ったもの。当然、凄い大型機となります。主に貨物用ですが、旅客列車牽くこともあった模様。
このモデルも、8幅でフルスケール。
エンジン部のみで48ポッチ長。テンダ含めると80ポッチ長に及びます。而して大きさゆえの大味さなど皆無!
ディテールも控え目なのに、正確なプロポーションというか基礎がしっかりできているがゆえのことでしょうか。
またディテールが控えめな分、カウキャッチャーや二連の煙突、タンク前の汽笛といった要素が映えてきます。過度な装飾無く実用本位なのはアメリカ機の味。
ランボードからフロントデッキへの斜め部分も巧い処理。カチカチヒンジによる角度固定を使いこなしてますね。
なお、アメリカ型にしてはマッチョ分が控えめ。寧ろスマートな印象なのもこの作品の持ち味でしょうか。つまり、アメリカ型苦手な人でも「大丈夫」な雰囲気と? これ、日本では重要ですよ!

特徴的なのは動輪。10年ほど前にSUU氏のC62で採用されて以来後継のなかった、「大ギアにチェーン巻きつけ」という方式。BBBホイールや公式大動輪、またBBB-XLの登場でレーゾンデートルを無くしたかとおもいきや、アメリカ型(そして日本形)には多いボックス形動輪の表現に使えるメリットは今なお続いています。
(公式及び、BBBはスポーク動輪のみですから。欧州機作るのには良いのですが)
但し、ロッドはSUU氏の簡易表現ではなく、非常にガチな表現。サイドロッドとリターンクランク?が可動します。
メインロッドを割愛してその代わりにリターンクランク可動を持ち込むというのは「誰も気が付かなかった!」表現でしょう。スライドバーは表現されているのでメインロッドの省略はよく見ないと分かりません。
なお、よく見ると先輪の先に補助輪(小径車輪)が見えます。
ここも含めると2D2の「ノーザン」になるのかもしれませんが、目立たないように処理されているので、なきものとして扱いましょう。

テンダ。アメリカンスタイルの8軸テンダ。2+6軸という車輪配置です。32ポッチ長で8幅ですから、これだけで電気機関車などの作品並みの質量になるのですね。
しかし、トレインモーターは1基ですから、列車引かせるのにはやや物足りない懸念はあります。とはいえエンジン部の従輪2軸部分もモーターに出来そうですし、テンダに2M(3M?)も可能でしょうから、パワーアップの余地もまた大きいものでしょう。

この大柄でありながら、通常レゴカーブはクリア。
動輪は「フランジレス+フランジ+フランジ+フランジレス」という配置。フランジ動輪はチェーン巻きつけでレール面に接触している由。他は浮いているわけですね。
カーブを曲がる姿は若干の外見的無理はありますけども、最近主流になりつつある「大曲線」、Me-modelsの最大曲線か直線−フレキシ交互繋ぎのカーブなら綺麗に見えることでしょう。
今後の活躍、期待される作品です。
アメリカ型の客貨車を考えたくもなりますね。その、長めの編成も!