まずは真っ当?な方から。EF62形電気機関車。

国鉄電機Fの60代、を全てレゴで再現するプロジェクト?があったとして、恐らく最難関になると云われるEF62。理由は側面の大きめなルーバー。
適切なサイズの部品の組み合わせがまず存在しないそうです。1幅もしくは3幅のグリルブロックがあれば解消するようですが、望めなさそう。
この作例では、横組による再現ですが、やはり大きすぎの印象は否めない?
また、ルーバー上の小さな明かり窓も表現難しそうです(このモデルでは省略)。一応、明かり窓なしは1号機のみが該当しておりました。
しかし、他の部分は十分にEF62らしいと!
特徴であるC-Cの車軸配置(但し動力化の方法は謎。ダミーで客車後押しか?)。
前後での「切れ上がり」のある車体裾。ここが表現されていないと、EF62らしく見えません。逆にいえば先のルーバー表現に若干の無理を感じつつ、EF62だ! と言い切れるのはここを抑えているからではないでしょうか。
前面窓は微妙に傾斜しているのですが、無理して再現すると角ばったEF63的風情になってしまうので、EF62なら傾斜割愛も有りに思えます。
EF62形は1962年に投入された信越本線専用機。あのEF63と協調するための機関車。
信越本線の客車列車・貨物列車の削減で1984年に大挙、東海道山陽本線の荷物列車用に転入。EF58を置き換えてしまったため当時のファンには嫌われたものでした(苦笑)。
ですが、1986年には荷物輸送そのものの廃止で僅かな期間の活躍に終わる。信越線に残留したものは碓氷峠廃止後の1999年まで活躍していますが。
今の目で観ると、C-Cの車軸配置など技術的異端の魅力は感じられます。
ただ、それがレゴでの再現を拒む要素にはなっています。ダミー車輪に割り切って自走させるか、はたまた機関車の自走を諦めるか? 自作動力か?

さて。先のルーバーの改良案の一つ。
非常に「大人げない」パーツの使い方に依る表現。二次型の雰囲気は出てくるのですが……現実的とは言えないか。可能性の一つとして示唆には富んでおりましょう。
EF62、未だ鬼門の一つであり続けそうです。
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あとは楽しいネタ車両もとい「自由形」の世界!

如いて言えばクハニ113形か?
福知山線塗色(電化当時。1985年ころ)を纏う、半室普通車・半室荷物?の合造車。
タネ車は言うまでもなく余剰だったサハシ165等の急行形ビュフェ車。
福知山線になぜこんな車両が必要だったか?
電化前の福知山線にはやはり普通・荷物合造車のオハニ36形が「行商指定車」として運用されており、行商のおっちゃんおばちゃんが使っておりました。荷物室は好都合。
電化後も行商指定車が必要ということでこんな車を、余剰車改造で造ったという設定とのこと。
ビュフェ部分。完全な広間か。
或いは申し分程度のロングシートでも設けられたのかしら? 荷物室が「仕切り」になり、一般客との隔離にもなるとのこと。
こんな車が、113系のクモハ+クモハの2連にぶら下がってやってくる。
そして朝以外は昼寝してる……と。
福知山線の行商人も何時かは見られなくなったようですが、「行商指定車」は今も近鉄大阪線の「鮮魚列車」として健在だったりしますね。

こちらは117系絡みのネタ車両。
いくつか解釈ができる形状です。
1:117系の増備車は運用の都合上、前面を貫通型に改めた。そのため117系でありながら115系の顔に。自分は図を見た時に「2」を考えたのですが、屋上機器が117系ですね。「1」で正解とのこと(笑)。
2:新快速用に、広島に既に投入していたクハ115-3000代を召し上げてしまった。
117系のカラーリングで115系顔も品があって悪くはないのですが、でも117系のアイデンティティが……。
なお、117系は結局一部が115系3500番台に改造されたりとかで115系とのごちゃまぜ感が強くなったのは後日の現実。115-3000も含めて広島岡山地区では2ドア=転換クロスの当たり車であった時期も短く……他の115系も3ドア転換クロスへのアップデートされまくった結果、座席のヘタった2ドア車は一転ハズレ車?になってしまったのでした。
今は順当に227系へ置き換えられてつつあるはず。

ネタは加速します。
余剰のサロ165を改造したクハ117-600代(仮称)。当時サロ165改造のクハ455-600代が改造されたりしてました。末期国鉄で予算節約のため、117系のクハ新造の代わりにこんな車でごまかそうとしたのでしょう?
グリーン仕様のリクライニングシートは歓迎されそうですが、ドア配置的に朝ラッシュ時は嫌われそう。座席定員も真っ当な117系より遥かに少なく。失敗車の予感。案外京阪神をさっさと追われ、広島とかで瀬戸内色→カフェオレ→末期色纏って以下略?

更にネタ。
クハ117-610代(適当)。サロ110を改造したクハ117。117系は1986年にクハのみを新造して6両編成を4両編成に改めていますので、あり得るようなあり得ないような?
サロ165格下げ改造車と違って座席定員の問題はないですが、やはりラッシュ時は嫌われそうです。広島や岡山への都落ちも見えてくるのですが、リアルな歴史でもカオス度の高かったあのへんが更に物凄いことになってたでしょうねぇ。クハ85とか活躍してた時代は廻るよ…(趣味的には楽しい)。
それにしても。
国鉄型車両の「パーツ」というのは組み合わせ次第でゲテモノ作り放題、もとい夢が膨らむものです。前提として真っ当な車両が必要ではありますが、この種の「ネタ」も楽しむ余裕、必要なのかもしれません。