
C11はみなさまもご存知のタンク式蒸気機関車。
動態保存機の中ではもっとも両数は多く(大井川2 真岡鐵道1 JR北2)、今の日本で蒸機といえばこれ! という存在でもあります。
レゴトレイン界隈でも人気題材ではあり、かつてのEJLTC全盛期から作品数は少なくない。近年だとイグ様、awazo様が制作されています。
そこに新星あらわる。それも2両同時に!
先にも触れましたよう、動態保存機としては異例の同型機のツーショットが可能な機種でもありますから、同時デビウは嬉しいことです。

C11 171。C11としてはレギュラーな形状です。
まず、目を引くのはメインロッド(斜めのロッド)とスライドバーの表現。レゴでの蒸機製作では一番難しく、そして面白い部分。ここをバーとクリップで作ってきた作品は初見です。二重構えのロットとバーは嘗て無く、細密で、リアルな印象!
動態保存機前提の銀色……灰色表現ですが、ここを現役機っぽく真っ黒にしても落ち着きそう。
全体の印象は「小柄な、引き締まった」感じ。
隼様はフルスケール寄りで客車40ポッチ全長で造られていますが、このC11はそれに合わせてスケール通りか。そして32ポッチ程度のレゴスケールの方の客車を牽かせてもまた似合いそうです。肥大化させず、小さく造るのはセンスが要ります。

プロポーションは極めて正確。
缶胴の太さや、タンクやキャブの大きさに違和感がありません。すべてが適切な感じ。ディテール表現も適切なバランスでしょうか。安心して走行させられる雰囲気と云えば良いのでしょうか。運用のしやすさ、実物譲り?
走行というと、動力は割愛され、ダミー動力車(客車)に依る後押し前提です。
PF自作動力でのC11クラスの自走はAWAZO様の作例が有りますが、まだ一般的ではないですね。安定性やメンテナンスを考えるとこの割切もありでしょう。その御蔭でプロポーションや「引き締まった」サイズに繋がってもいるのですから。

バックスタイル。梯子の表現が端面を引き締める! バック運転もまた絵になりそうじゃありませんか。
キャブの横組窓と、1x1クリアプレートに依る前面窓もそれっぽい。
それだけに、キャブとコールバンカー部の裾がディテールレスなのと鈍重な印象がするのが惜しい!
ここの車体裾を2プレートほど上げて、台車との隙間にエアタンクの表現を入れるとかなり軽快かつスピーディーな印象になると思うのですが、如何でしょうか。端梁の表現も欲しいところです。

変形機207号。「カニ目」とか云われる2灯ヘッドライトが強烈な印象を残す機関車。
ちょっと奥まった位置にあるライトがそれっぽいですね。
ただステーはもう一工夫あると更に印象変わってきそうです。個人的にはライトの真後ろにクリップタイルで留めるのではなく、ライトの真下に水平クリップ付きプレートなどで留めたほうがそれらしくなるかとは思いますが。
ただ現状でもスッキリ感はあります。また、実物のステーはかなり面倒そうな形状ですよね……。

207号機背面。この面も二灯ライト。ギョロ目感は他の蒸機にはあり得ない不思議な感じ。このライトも外付け感のあるものなので、何らかの方法で出っ張らしてあげたりすれば更にディテール感上がるかもしれません。ただ、蒸機に限りませんがスッキリ感とディテール感はトレードオフな部分も有ります。現状でも「カニ目」らしさには満ちていますので、ここからは作者にお委ねいたしましょう。

バックでの並び。
動態保存機ではこっちを前にすることは少ないですけど、現役時代の雰囲気でバック運転も積極的に楽しみたいものです。

叶うか? 重連運転。
同じJR北のC11同士の重連は様々なパターンが見られたそう(重連・後付け補機)。その意味でも2両造って、運転の幅は大きく広がるというものでしょう。
いや、実物では207号機は北海道離れてしまったので無理ですが。
その代わり、報道されているよう東武鉄道での運転が予定されています。スペーシアや6050系快速との出会いももうすぐ! 客車はJR四国から購入の12系14系とのことですが、どんな姿になってくるのでしょう。渋め仕様だといいなぁ。
閑話休題。
渋め仕様というと、JR北のC11合わせの客車もまたブドウ色に3等赤帯入り。これにスハ43由来のスハシ44、そして車掌車ヨ3500を合わせた編成。楽しく、そして渋い!
いつか実現、期待したいものですね。