(そして、現在においてもなおスペインでは「一般的な列車」であることも重要。特異な試作車などに非ず!)
brickshelfより
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=560819
enquete-art様はこれまでにもアメリカンな各種ストリームライナーを製作されてきました。GMのエアロトレインに、ユニオンパシフィックのM10000、そしてパイオニア・ゼファー(上記リンクより辿れます)。
タルゴはスペイン生まれでもありますが、実用車のTALGOII/TALGOIIIはアメリカの技術も入っている由。その意味で制作に至った流れ、寧ろ自然なものと云えましょう!
(アメリカにおいてもTALGOIIは試作車として持ち込まれ、時にはエアロトレインの動力車に挟み込まれて使われたりした由。長続きはしませんでしたが。
一方、1990年代に持ち込まれたTALGOIVはAmtrakがシアトル近郊の特急・国際列車用に使ってる由。こちらは今もなお、長期的に愛用されてます)

プロトタイプは本格的な実用車。TALGOIII。
このタイプは長くスペインの代表列車として活躍しました。軌間可変形もあり、フランスへの乗り入れも行っていた由。
動力車は専用低重心ディーゼル機関車。TALGOIIIの世代になるとどんな機関車でも牽引可能になりましたが(乗入先ではフランス機さえ)、専用機関車との組み合わせは至高ですね。
目を惹くのは、実物同様の徹底した低重心化。
只者ではない列車、というのがひと目で伝わります。

動力車を前にして。ウソのような低車高が不思議。でも、この形で間違いないんですよ! 3幅で横組にした前頭部が印象的で、前端のV形塗り分けも表現されています。
側面……通常の車両の半分の薄さですね。
実物でもあったように、横に欧州系のデカい電機など並べたらどんな雰囲気に見えますやら。リアルな対比が楽しめそうです。

客車を後ろにして。電源車−荷物車−客車−客車−電源車 という編成のようですね。
やはり流線型の最後尾。見慣れた連結器パーツと車高のアンバランスさに驚かされるのですが、いやコレでリアルという事実。
飛び出したライトケースも良いアクセントに。ゲテモノに見えて実は整ったデザイン。
客車そのものは窓を横組。窓まわりの上下に黒帯入れて締めた鮮やかなもの。無論 低車高・低重心なのです。

客車(電源車)アップ。
1軸車輪は連結部に。小径車輪を使うことで床面下げに貢献。
(1軸車輪の耐久性のなさは将来的な問題になり得ますが、他の手法ではこの美しい形状は確保できないでしょう。難しい……)
窓下の黒ラインの辺りが普通の客車の床面ですから、凄い雰囲気ではあります。
ともあれ。
タルゴはゲテモノ……。タルゴはちょっと……。とか思ってた層にも訴求する魅力を持った作品といえましょう。先にも触れましたが、これはスペインの「当たり前の特急」だった時代もあるのですし、後継車は隆盛を誇っています。避けて通っちゃ勿体ない!
(自分も「ちょっと苦手」だったのに手許のTALGOIIの資料を漁りだす始末で。でもアレ難度無駄に高そう……ガチなゲテモノだし)
他の欧州型との並びが実現すれば良いなぁと思いますし(たとえば市販品でもホライゾン……TGVとでも並んだら似合いそう)、TALGOをエアロトレインに挟んで走らせるのも一興かもしれませんね。