
南海電鉄2001形(wikipedia)は昭和初期の、関西私鉄の弩級電車の一つ。
20m級の鋼製車。大重量になってしまうのは大馬力で補う。200馬力x4! 後世の新幹線0系なみの大出力。
重厚なボディ。2ドアクロスシート。
昭和4年から戦後まで製造が長期に渡ったため形状のバラエティが多い。中でも1936年生まれの2017・2018号は大きな窓が実にエレガント。形状としては後世まで貴志川線に残った1201形の同時期の製造車に近いのですが、あちらは手頃な中型車でしたから印象は結構異なるもの。
2017・2018号は大きく、美しい電車でした。
その後の増備車は時制を反映してか、窓の小さな重苦しいスタイルに回帰していきますが。
2001形は1972年の昇圧には耐えられず、1970年までに全車廃車。
ただ、あの時代の弩級電車たちは他社でも、概ねその時期に引退を迎えています。大きさゆえに、生き残れなかった。
(阪急920形だけが1980年代まで生き残ったのが例外)
塗色はずっと濃緑色。但し1960年代半ばから濃緑+薄緑のツートンカラーに改められる。全車廃車までの短期間の塗替えは全車には及ばなかった模様で、肝心の2017・2018号が新塗装化された記録はありません。
ただ、明るい新塗装はきっと2017・2018には似合ったことでしょう。

南紀直通のサハ4800の牽引車は絶対に2001形の中でも2017・2018号と決めていました。
それも末期に存在したかもしれない?ツートンカラーで。
制作難度。ムダに高まるのは覚悟の上。
何が面倒かといいますと唯でさえレアな緑灰の中でも特に希少な1x1プレートが使えないこと。窓の上部を表現するのが無理。
でも、ポチスロなら緑灰でも出回りは良い。
それ故の
車体下半部:順組
窓まわり:横組
窓の上から幕板:逆組
雨樋から屋根:順組
という、ベクトルが4回も変わる組み方となりました。
まぁ普段の電車の組み方でもベクトル3回変わる組み方なのでプラス1回といえばそれまでですが。
寧ろ、車体下半部も逆組にせざるを得なかった前面の方が面倒でした。というのは南海のあの時期の電車は「小さな垂れ下がり(ミニスカート?)」があり、それを再現するのはプチスロがベストゆえに。
前面造形そのものはいつもどおりの内部クリップ留めです。
オレンジのΦ1タイルは、前サボのつもりでしたが些か目立ち過ぎかも……? 紀の国へ向かう電車故に、明るい橙はありかと思ったのですが。

大きめの窓は、何時もの旧型電車より腰板を1プレート低く、窓を1プレート分高くすることで表現。
全長は31ポッチ。やはり、国電並みの寸法と。あぁ、堂々!
内部補強のたぐいは多いのですが、なるべく茶色にして、ニス塗りだった車内を意識させるようにしました。大きな窓だったので外からも内部チラ見えのことも多かったでしょう。
(余談:無垢材にニス塗りは今でこそ豪華に見えますが、1960年代までは一番安い素材でした)

非パンタ側より。9vトレインモーターはルックス的に今時の電車ビルドには辛くなってきましたね。銀色の車輪もそろそろ気になる。
ある程度の長編成なら中間車にさり気なく組み込んだりも出来るのですが、単行電車だとこの辺は難しいのです。普段の「飾る用」はモーター外してダミー台車にしておきましょうか(笑)。
なお、床下機器は割と適当。
昔の電車の常で、片方は抵抗器並べ、反対側は制御器らしいものつける。余裕あれば空気系も……といういい加減さ。ここはコストと強度優先ですね。
(で、今の電車は……箱つけるとそれっぽく見えるw)

同じ時代の名優 11001形との並び。
緑色の、2扉の特急・急行が行き交ったあの時代……。難波駅には立派なアーチ屋根もありました。
いつか、そんな駅に並べてみたいもの。
今後の展開としては、この2001形は初期型もまた別の魅力ありますし、南紀直通列車牽引用としては1両では物足りない。もう1両ほどダークグリーン1色のを頑張ってみたいと思ってます。
また、2017・2018を思いっきりショートにすると高野線用1251形になる。そうなると、この時代の高野線特急の再現も(流線型!)。
ぎりぎり残っていた木造電車 電7形の残党だって気になる存在。
凸型の電気機関車も忘れちゃいけません(以前造りましたが全面リメイク!)。

あぁ南海沼……。 これからも浸ってみたいと思います。