
先に試作品を上げましたが、今回2+2の4両が完成した次第。
試作品:南海11001形 前頭部を試作(灰緑はキツいよ!)
南海11001形。後世の1001系。
南海初の新性能車として1954年から製造。無論南海本線の急行・特急用。20mという国電同様のロングボディ。転換クロスシートと、それに合わせた小さな窓が並ぶ。
初期車は丸みの付いた妻面で貫通型。
そして1956年以降の後期車は前面2枚窓の湘南フェイスとなり、かつ張上屋根に。
初期車と後期車、どちらかを選ぶことの出来ない魅力!
しかし、1972年には昇圧に合わせて初期車をすべて廃車に。
後期車で6両固定に編成を組み直して、機器更新と冷房化で1001系に改造。余剰の後期型先頭車は京福福井支社(現 えちぜん鉄道)へ譲渡。
1001系は特急に専用されたものの1987年には引退。
京福福井への譲渡車はその後も長く活躍続けましたが、えちぜん鉄道への移行時に廃車されています。
(京福時代に乗車・撮影したことがありますが、ワンマン化によるドア移設などで形状が崩れた後にもかかわらず、美しい電車でした)
なお、21001系という高野線用の「妹分」もありました。足回りが山岳線用に別物で、且つ全長が短いので若干印象は異なります。
こちらは譲渡先で未だ健在です(大井川・一畑)。
実物についてはこちら(wikipedia)
実物画像はこちら(google) 都会の電車ゆえ、当時のファンの記録が多いです。
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初期車の2両編成。
丸みの付いた前面は何時もの「3面折妻」で表現。ヒンジが使えないので(この色のヒンジプレートあるわけ無い)、内部でクリップ留しています。え、この色のクリップもない? L形のプレート使って内部への飛び出しにクリッププレートつけているのです。
造形そのものは貫通路・貫通幌がある分少し楽。
貫通幌は前面のボロ隠しになってくれます。
前面窓は実物の印象は正方形に限りなく近いのですが、それを再現しようとすると左右の窓柱を細くしないといけない。
それもそれで印象が変わってしまいますので、ここは窓柱の太さを優先した由。

全長は自分標準の32ポッチ。国鉄車両などの20m級の長さに揃える。
側窓は車端部で1個づつ。ドア間で4個を省略。それでも「長さ」は感じられるもの。
初期車の特徴である側雨樋は最初は黒や新灰での表現を考えたものの、どうしてもしっくり来ない。コスト承知でここも緑灰です。
台車は軽快な印象な新型台車なので、それっぽく線を細く造ってみました。
床下機器は適当・手抜きでも抵抗器を並べておくと昔の電車らしく見えます。

屋根上は歩み板を1x8タイルで表現。車体との間の微妙な隙間が精細感を出す?
屋根端に45度角スロープ使いたかったので前面は雨樋省略、ここは割り切り。

編成の反対側より。旧灰の45度角スロープがたまたま見つからず、一時的に旧濃灰で代用。連結器は前部もバッファ付標準品で済ませてしまいましたが、この年代の電車だと違和感が少ないと思うのですが……?

11001形初期車は運転台付きの動力車のみでしたが、前よりパンタの車と後ろよりパンタの車があり、相互に編成組んでた由。
後には貫通型ゆえに、後期車の中間車代用になったり柔軟な使われ方をした模様。まだ組成がユニット化・固定編成化される前の電車ですから。
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後期車の2両編成。後期車は4-5両編成で製造され中間車を組み込んでいましたが、「この色」で其処まで造るのは不可能(苦笑)。システム上は可能だった2連で妥協です。初期+後期の2+2の4両編成でも組ませたり、初期車を中間車代用にすることを狙う。
いわゆる湘南フェイスはいつもの組み方ですが、貫通型同様に内部クリップドメで微妙な角度出しました。帯は階段上の表現以外が思いつかず。かと言って自作シールはイヤなんですよね。
先の試作品と変えてみたのはオデコ部分の処理。試作品の45度スロープだとちょっと痩せすぎて見えたので、思い切って通常の2x2スロープに、その上にポチスロで形を整えてみました。

張上げ屋根はコスト面で少しは有利な45度スロープ。歩み板の表現は初期車に合わせました。なお1001系を意識するなら、屋根中央にAU75系の集中式冷房装置がドカンと乗ります。なお11001形(京福譲渡車含む)は窓枠スチールサッシで車体と同色でしたが、1001系だとアルミサッシ化されてた由。いやそのへんはレゴじゃどうやっても再現不可能(笑)。
台車や床下機器は初期車と共通です。これは実物同様。

編成の反対側は後ろよりパンタの先頭車。
こちらの前面は旧タイプの連結器つけて、貫通型初期車との連結に備える。

湘南フェイス程度でも、仮にも流線型。
前パンタの勇ましい感じもよければ、後ろパンタのスマートさも捨てがたい!
なんであれ、4両編成組むと全車パンタ付きで4基が並ぶ。模型的にはちょっと大変ですが、これはこれで魅力的なのです。
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改めて「どちらが、お好み?」
やはり選びきれない!……無理して両方同時に作って良かったと思うのでした(笑)。
なお、京福福井支社に譲渡されたのは湘南フェイスが3編成、貫通型が1編成。まさか実物の中古電車買うときにも「何方か選びきれなかった」わけではありますまい?
(……余剰車の関係で結果としてそうなっただけですが)
蛇足。京福福井仕様も「リメイク」したいものです。
当時さんざ試行錯誤した末に断念した貫通型の方も、今なら無理なく行ける! 何より白と臙脂の姿もまた魅力的ではありませんか。レゴ的には難度低いのもいうまでもありません(笑)。