この趣味の初期に、蒸機に合わせるための作品があったくらいでしょうか。

http://www.ejltc.com/180c57yasuo.htm
Yasuo Kaji様の作品。2000年ころと思われます。あの当時に12系! インパクトあった由です。
12系。実物はオールラウンドな客車です。
特急(臨時)に急行から、ローカル線の普通にまで。
青森から鹿児島まで。
1969年から、現在に至るまで。
引っ張る機関車は選びません。山口線以前、蒸機現役時代でも蒸機+12系はあったそうですし。私鉄電機でさえ12系を曳いた由。
編成も楽しい。旧型客車とのごちゃ混ぜ編成。
20系寝台車や最終的には24系25形との混成もあったほど。
すなわち、模型的には大変に使いやすい客車です。
さて、今度のAP様の作品、決定版になりましょうか?
先方の記事:「12系客車」
「寝台急行編成」

スハフ12。シンプルながら究極的造形。トレイン窓は国鉄の二段窓と雰囲気違う……と先方にありましたが違和感は皆無ですね。
(そもそも自分も153系新快速やら155系に使っていますし)
全長は39ポッチ。フルスケール寄りのバランス良い寸法です。この長さだと「長さゆえの魅力」を打ち出すこともできましょう。
偶然と思いますが、北海道で活動盛んな隼氏の寸法が40ポッチなので合わせることも可能でしょうか。
妻面は3面折妻。今は定着した感もありますが、昔は難しい表現でした。外にヒンジが出てこない組み方は綺麗です。2x2新型窓の「青」は凄く適切な感。
貫通幌は割愛されていますが、折妻ゆえのスジがその代わりになっていましょう。実物も車体埋め込みの幌枠ですし。無理するよりは省略が美です。
おでこは6幅車用の部品。ここは先行する薬師山氏の14系と共通ですが、あの世代の国鉄客車……というか、鉄道車両用に広範に使える部品ですよね。カラバリも多いですし。

オハ12。ドアとデッキの表現が美しい。思い切って6幅分で横組して、窓は縦長に3ポッチ分に。お陰で軽快な感じが出てきました。2ポッチ分の窓では重苦しくなってしまうでしょう。
窓と帯、幕板の上下寸法バランスも適切ですね。トレイン窓使うと幕板の存在をつい忘れがちになるのですが、この作品では1プレート分幕板取ることでそれっぽく。
クーラーはオーバースケール……という感じはなく、雰囲気にしっかり合っています。 なお、妻面の帯の処理も注目。少しだけ側面に回り込んで塗られていましたから。

見逃せないのが台車。ボルスタ支えるリンク部分がアンテナパーツで再現されています。凄く精細! 台車って大事です。

先日のJAM 3日目の活躍。EF58の牽引。スロ62とオハネフ12を従えて。
雰囲気としては1973-78年の「きたぐに」か。旧型の寝台車やグリーン車を従えた編成も楽しいものでした。
なお先方の記事 「寝台急行編成」では、より豊かな編成のバラエティが提示されています。「なんでもあり」がこの客車の魅力でしょう。20系……AWAZO氏のフルスケール20系との合わせがありえましょうし、Ap様の20系も拝見できれば言うことありません。

EF15の牽引。団体臨時列車の趣ですね。
このスケールだと3両でも短く見えない、物足りなさは皆無です。
また、背後の旧型客車とのコントラストもまた魅力。

DF50との組み合わせ。宮崎か紀勢の方での団臨か臨時急行辺りか。
1970年代、定期急行は冷房なし43系なのに、臨時は12系なんてこともあったそうな……(笑)。
ベテランによる「決定版」。今後の活躍、期待されましょう!
繰り返しますが「どんな機関車」でも似合ってしまうのですから。