近鉄の一般車……。その形式体系は意外と複雑です。
1970年代以前の吊り掛け車なら概ね把握できているのですが(それはソレで変だと思うけど)、逆に1980年代以降というか1970年代以降の新造車が把握できておりません(苦笑)。故にプロトタイプに関しては正確に記せないことご容赦ください。
多分、
エース君の方が詳しいんだろうなぁ……。
とボヤキは兎も角。
世代的には概ねこんな分け方して良いんでしょうか。
A:1960-1980年ころの新造車。旧塗装で登場。抵抗制御かチョッパ制御。前面は窓上にヘッドライトで方向幕は外付け。今見ると古臭い顔です。ただし側面は戸袋無下降窓が並ぶもので、これは現代にも通用するデザイン。
B:1983年以降の新造車。前面形状が窓上の銀処理加わり近代的に。チョッパ制御かVVVF。このグループから新塗色で新造です。
C:シリーズ21。塗色とかデザインスキームが大変化。
実際にはA-C各世代の電車が
混成で使われるのが日常とのこと。
吊り掛けや初期カルダン車を(本とかで)知ってると、今の近鉄は
4ドア通勤形ばかりでつまんない(3ドア転クロや4ドアLCも居ますけど?)って思いがちなんですが、実は
昔よりもカオスは増しているのかも知れません。平均車齢も1970年代の2200形が廃車になった頃より遥かに上がってる筈ですし。実は楽しい題材なのかも……?
なお、作品撮影は
8月上旬の京都訪問時です。
たった2ヶ月前なのに、えらく昔のような気がします。その後がいろいろあり過ぎでしたからね。撮影にご協力くださったのに記事が遅れたこと、お詫びいたします。
上で言う
「B」世代の電車です(追記:1221系でしょうか?)。。
前面窓上のアルミ板処理で一挙にモダンになったグループで1984年ころの登場か。合わせて新塗色。大幅イメージチェンジに驚かされたものでした。
前面表現、頑張って「アルミ板」が再現されています。角ばった印象も実車に近い。
割と難しい顔なんですよね。究極は横組かもしれませんが(コレなら前面窓とアルミ板部分のをツライチにできる?)
ホロは常時つけっぱなしなので、ホロ表現も。その上2基パンタ。実は萌え要素の塊のような電車?
テールライトの表現もそれっぽい。ジャンパプレートやタイルをはみ出させてライトケージングの表現は使えるものです。
スカートは「なるほど!」です。部品の特製を活かしてますね。
側面に目を向けますと、自作のVVVFシールが目を引きます。この程度の自作シールはプラス効果も大きいのですね。
4ドアは3ドアアレンジですが、これもレゴスケールなら正解でしょう。
ただ、車端部から1ポッチづつ詰めて、センタードア左右に1ポッチ入れてあげたらかなり近鉄らしい側面になりそうです。
目を引きますのは、車体裾。
トレインプレートは資材の関係か使っていないのですが、
車体裾をトレインプレート車と揃えるため台車上をL形パネルで横組しています。これで「トレインプレート同等」を実現してる由。
この手法、大人でも思いつかなかった!
トレインプレートが存在しない色、或いは高価になってしまった色(赤や黄色)で、しかしトレインプレート的表現をしたい時には「朗報」じゃないでしょうか。
京都市内?……というか叡電沿線を快走。
丹波橋で未だ京阪と近鉄が繋がってて、かつ出町柳での相互乗り入れ実現していたら、奈良発八瀬行なんて電車が走ったのかも知れません(鞍馬は勾配対策しないと無理)。
いや、この情景を昔の奈良に見立てて。
1969年までの奈良市内路上区間……が今も残っていたらという妄想も掻き立てられます。
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これは「C」世代。
シリーズ21。現在も新造中。
2連なので9020系でしょうか。2両口が今なお新造されてるのは近鉄の奥の深さ。
この地点では未だ未完成か? パンタが無いのが残念。
理想を申せば、前面は1x3x6の平キャノピー使ってその上に貫通扉乗せると凄くシリーズ21っぽい顔になるかも知れません。
側面も窓位置が1-2プレート下がるとそれっぽくなるかなと思いもありますが、プレート中心の構成にせざるを得なくなるのでコスト面で無理……でしょうかね。
スカートやクーラーはなかなか精細です。
真正面から。
白熱灯なファミレスという撮影環境の問題で色が出てないのはご容赦を。まぁ
車庫の水銀燈と思えば……?
でも、シリーズ21の明るく都会的な雰囲気は出ていますね。灰と白、間に黄色帯というセンスは秀逸だと思うのです。
さて。このモデルの
真価は内部にあり。
完璧な! と言えるインテリア表現。L形パネルのシートはフィグの着席は考慮されていませんが、モデルとしてみると凄く精細。この思想はありです。ドア横のポールまで。
そして、屋根にはつり革がぶら下がる。ただ、小さめの側窓から見えないのはちょっと残念。いっそ側窓を3x4パネルにして(ちょっと大き過ぎ感はありますが)、思い切って内装を魅せるディフォルメを施してみるのもありかな? と思う由です。
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「A」世代の電車。形式数多すぎでとても全容が把握できません(笑)。
奈良線京都線用ということで
「8000系」で宜しいでしょうか? 1964年から製造ですが、原型は900形で1961年の設計です。
さて。完成度と精細さ。エース君の近鉄一般車ではピカイチ!
この題材に長く?取り組まれていただけのことはあります。
はっきり言えば大人の(大人げない)作品の
クオリティに追いついちゃったなぁと。
前面は屋根肩の微妙な角度つけが良い雰囲気。ポチスロの向きはこれで大正解ですね。ヘッドライトや外付け方向幕の密度感、堪りません。
貫通ドア、プレート5枚分の空間に1ポッチ+2プレート。すなわち4.5プレート分。微妙な隙間ができるのですが(0.25プレートづつ)これが
埋め込みホロっぽい表現になっています。汎用性応用性のある組み方かも知れません。
(将来、3面折妻に使えば、車体外へのはみ出しを抑えられるかも?)
スカートもそれっぽい。
ステー部分を黒にしてるのは近鉄の裾部分だけのスカートっぽいのですね。片方グリルで機器箱らしく。
完成された顔、と評してよいでしょう。
そして近鉄にはこの顔の電車が沢山! 可能性は無限に。
側面中心に。
屋根肩をポチスロ処理。これで一気に雰囲気を変えています。この1-2年ほどでコスト面でも寧ろ現実的な処理になってきました。この屋根肩のお陰でクーラーもかっこよく見えるおまけが。
単調に見える車体だからこそ、ドア横のステッカー表現が映えます。
惜しいのは方向幕。ここでプレート三枚重ね(白 黒 白)にしたら全体の印象も大化けしそう。
床下も凝っています。それらしく見せているだけなのでしょうけど、パーツの表情が昔の電車の機器箱らしく見えますから。
(関山も床下機器は「それっぽく」に留めてます)
中間車の
2基パンタが厳しい。パンタ表現は一気に腕を上げてきたところです。パーツとコスト食うし面倒な部分ですが、電車では大事な要素ですからね。印象を変えうる部分です。
近鉄4ドア車は先頭車中心の車体割り付けであり、中間車はドア位置が偏ってるのですが、それも再現されています。
また、特徴的なのが
転落防止外幌の表現!
近鉄独自の左右が噛みあう形状ですが、これが車端部の精細感を盛り上げてる。カーブのキツいLゲージでもこの構造なら問題もありません。
9020系と8000系。この
世代を超えちゃった並び、併結が日常というのはやはり楽しい世界なのですね。
ちょっと「食わず嫌い」してた現在の近鉄4ドア車の魅力に気が付かせてくれた作品なのでした。
なお、JAM向けには珍車?ステンレス3000系を持ってこられた由です。これも後日記事にしましょう!