大きな丸みを描いた前頭部。そして前面側面のすべての窓の上部に丸みのついた優雅な形状! 後者は鋼製車デナ21形にも引き継がれてましたね。更に優雅さを際立たせる、深い屋根。足回りは英国製台車。
どこかヨーロピアンな雰囲気は、アメリカ流儀が主流だった日本の電車の中でも稀有な存在……。
その引退は1964年。木造車としては長生きした部類でしょうか。
末期は輸送力確保のため、2両固定編成化されていましたがこれは叡電初のこと。
遥か後にデナ21形が2コテされ、デオ800・デオ900が2コテで新造されたこと思うと感慨深い。
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当時のファンにより、意外と多くの記録が残されています。
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元から「いつか作ってみたい」脳内候補にあった電車です。
ですが、今年夏と秋に叡山電鉄さんの催しがある。かう゛ぇ氏他が頑張ってる! エースくん一家も……あの八瀬比叡山口駅に「置きたい」。
それに乗じない手はありません。製作予定大幅繰上げ。
ただ、最初は前面の丸みも「3面折妻でいいか……」と考えてました。これなら作りなれてます。
また側窓は横組2ポッチ分+順組1プレート分で、上部の丸みが再現できると睨んでました。
しかし。
薬師山氏のデナ21試作品。これは衝撃でした。
デナ1はデナ21よりずっと前面は「丸い」のです。三面折妻ではカクカクしてしまう! それじゃダメだと。
即時、大きめのカーブアーチの緑を注文入れる!
そして、試作に着手。
一次試作。色は整ってないので脳内補完よろです。
まず、全長短く解釈し過ぎました。小型といえ、21ポッチはちんちくりん。車体だけなら良かったんですが、足回りつけたら矛盾が酷い。この大きさは「2軸単車」なら有りなんですが、ボギー車としてはあり得ないだろ!と。
(ちなみに実物は全長12m余りで普通の電車の3/5程度の長さ。スケール通りなら21ポッチで良いのですが、このへんはレゴ特有の微妙なスケールバランスが……)
そして前面。強度が要される(京都に何度か宅配便輸送が予定され、現地修復不可)ので半ポッチずらしという無難な手法を取りましたが、実物のカーブにそって3枚窓が並んでる風情とはあまりに違いすぎ。
車体の上下方向寸法ですが、少しでも車体を長く見せるためと、実物写真の幕板(窓の上辺から屋根までの部分)が狭い印象なので普段より1プレート詰めたのも失敗の原因。足回り付けた時の違和感を増幅させてる。
濃灰の屋根も重くるしい。通常より1プレート厚くしたのが逆効果。
とはいえ、前面下部のカーブや、側窓の表情はコレで行けると確信できました。大きな一歩?
二次試作。先の欠点を全面修正。
全長は2ポッチ伸ばして23ポッチに。ギリギリ「小型電車」と言えるサイズ。これで可愛いけどちんちくりんではない微妙なサイズ感を出せた。足回りも動力車前提で通常のボギー台車に出来ます。
車体高さも1プレート上げる。幕板が広いのは気になりませんでした。
前面はカーブに沿った3枚窓を横組で再現。但しクリップでプレート挟みこむような際どい手法は避け。
屋根は1プレート厚くする場所を変えて。裾ではなく頂部に。新灰色で明るい感じに。
自分的には「これだよ、これ! これでOK」。
後は色を整えるだけ……? あと、もう1両を作るだけ……!(当然、2両固定編成)。
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……詳細は明日へ。