しかし、今はNゲージに場を移して。Bトレインショーティとして「復活」。定着してる由。
レゴの汽車セットは1980年代の12vで若干ショーティ志向な電車セットがリリースされたりはしましたが、こちらはボギー車のリアル化が9v以降定着してしまい、喪われた文化になったまま。

#7725(1981年)。この方向性は定着しませんでした。今見ると可愛らしさとリアルの同居したデザインが好ましい(しかし日本に持ち込まれた数が少ないであろう12vセットですね。未だに現物見た事無いのです)。
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そんな文脈を感じさせてくれるのがyanagin様の作品。
日本形リアル系というのが往年の三線式Oゲージ的でもあり、今のマニアが弄ったBトレ的でも有りましょう。無論、#7725の流れも感じさせます。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=556353
EH800形電気機関車のショーティ。如いて言えばED800形?
サイコロを思わせる最低限のサイズに抑えこまれています。よくみるとモーターの前後に全く余裕がない。可愛らしくも緊張感のあるフォルム。
そこにディテールはフル仕様。側面のラインであったり。スカート部の解放テコ。スノウプロウ。ミニマムですが碍子表現も。
余談ですが、名鉄の新型電気機関車、EL120型に通じる雰囲気もありますね。あれはリアルなEH800のミニサイズですから。

http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=556352
こちらはDF200。同様にDB200とでも?
側面の凝縮感が凄い。ルーバーの「中」「大」「中」に、乗務員ドア。省略がない。白いナンバーも良いアクセントに。そしてボリュームに満ちた屋根! 箱型の電気式ディーゼル機関車は「背が高く」なりがちなのですが、その特徴を強調・表現しきってます。あわせてサイコロ感というかマスコット感の強調にも繋がってる。
前面もそのままフルスケール機に使いたい完成度。解放テコや短めのスカートはEH800に共通する表現ですが、今のJR貨物機らしさが出ています。

お供を務める小さなタンク車。#7938で大量に余る?カマボコの再利用ですがなかなか好ましい雰囲気。ツルツルの仕上げは結構な手間とコストが掛けられていることが窺えます。一方で中間連結器をドローバーに割り切る経済性も。タンク端の仕上げは「異形胴」をミニマムに押し込んだように見えて面白い。
ところで、赤いタンク車って日本に(リアルに)登場しませんかね(笑)。緑もいいですけど。
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レゴトレインの世界では車輪や連結器や動力が高価かつ入手が難しい……という問題があり、経済面で申すとショーティは寧ろ贅沢な遊びかもしれません(例えて言うなら、Nゲージ切り詰めてBトレにする作品に近いかも……)。然し、コスト無視の贅沢が「粋」につながるのもまた事実。
合わせて、PowerFunctionでは機器の収容が意外と大変という問題も(DF200、かなり苦しそうに見えるのですが……?)。
そういう無茶?が作品としての価値・魅力に繋がってるのは、言うまでもないでしょう。
ともあれ、この小さな力作たち、通常のレゴスケールであったりフルスケールとは違った「可能性」を提示してるのは事実でしょうね。大曲線よりはナローカーブベースのミニカーブでちょこちょこ走らせたいなぁとか思うのでした。