ベテランAP様はまた違う表現で再現されてきました。
先に申してしまえば勝ち負けなどない世界。どちらも作者ならではの個性方向性が顕れておりましょう。
(如いて申せばdyson様の作品がイラスト・戯画的、AP様作品は写真・写実的ですね)
詳細はAP様の元記事を御覧ください。
地元のベテラン故に、解説とか実物写真とかこちらが紹介しきれる範囲ではありませんので……。
実物について簡単に申せば、戦前生まれの旧型電車で1996年頃まで生き残っていた電車。両運転台ゆえの使い勝手のよさで重宝されたと。5両あって生まれも違うので1両1両に個性が。

7幅でフルスケールのモデル。先の7300系との連結を考慮しているとか。
「窓」を使ってしまった大胆なドア表現ですが、7幅大型モデルならではの手法。でもこのスケールにはしっくり来ています。
小さめの側窓は3500形からの編入車、812-814号の中の一両、814号をモデルにされてるからとのこと。
側窓・前面窓は敢えて新型のフチ無しのものを。実はリップのある旧タイプのほうが入手容易ですが、このスケールだと窓が小さく見えてしまうでしょう。新型で良い効果。
戸袋窓は裏側使ってるのは面白い、また実感的です。

「顔」は7幅の威力。貫通扉廻りの精細感が堪りません。
実は高運転台化されたAL車はAL全盛期(1980年代まで)には猫跨ぎの対象……でしたが、今から見るとアメリカン・インターアーバン的な風情でエキゾチックな味がある。あの雰囲気、よく伝わります。
テールライトは昔の(1970年代の)レゴファミリー(ホームメーカー)フィグの「手」部品を使われることで骸骨形外付けケースらしさを表現できています。何よりこの部品「穴のあいた丸プレート」という値打ちもありました。この手法はどなたにも真似できるものではないでしょうが(関山も持ってないです……)、今後穴あき丸プレートのカラバリ増えてきたら……前向きに考えることもできましょう。
ヘッドライトはフィグヘッド。大きさが適度な感じ。スケールに近いか?
屋根は敢えてプレート積層か。カーブスロープやポチスロ使った屋根表現全盛なので、それらも検討された上なのでしょうか。まぁ拙作も未だに45度スロープによる屋根をコスト面で愛用でしておりますけども(笑)。ここは各方式に一長一短なのでしょう(コスト無視して外見面でも)。

精細感が素晴らしいと思いますのはガーランドベンチレータの表現。タイルを屋根内に潜り込ませることで凸型形状を作り出す(AP様の元記事には構造写真あり)。左が1970年代前半の裾がストレートなタイル使用、右は現行のタイル。左が理想ですが右でも十分に雰囲気出ている。これはヤラれました。

先の作品。7300系との連結写真を見ると、見事に同じ世界観に収まっていることが分かります。
ごちゃまぜ編成に見えて、機器面ではほぼ同一の組み合わせ(吊り掛け駆動、自動加速のAL車。手動加速のHL車もあったのでAL車はそれなりにエリート?)。
こんな編成が1988年ころまでは名鉄の何処でも当たり前だった……。
先ずは更に増備され、名鉄旧型電車の世界広がること期待しております。
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ところで、自分も名鉄800形(含む3500形/3600形等)は製作考えたことがありました。
悔し紛れではありませんが、両氏とはまた違った方向性考えてたと申しておきます。まぁおなじみの横組窓(1x2ブロック+1x2プレート)ですけども(笑)。
名鉄釣り掛け車は自分もギリギリ間に合った世代ゆえ(なまず、いもむし!)、思い入れはひとしおなのですね。