関山的には「広島電鉄3500形!」と見えてしまったのですが、製作者の意向を反映して「チビ電」としての紹介です。
ポケットライン「チビ電」は1982年から今日まで製造されているKATO Nゲージの隠れたロングセラー。
このシリーズは低年齢層向けの普及型Nゲージとしてスタートしたもの。長く地味な存在でしたが、大ヒット商品(というか鉄道グッズの定番の地位を得た!) Bトレショーティのルーツになったといえば、その意義が分かろうというものでしょう。
チビ電のモデルは、当時話題になった新型路面電車「軽快電車」。
カラーリングであったり、床下を覆うスカートが広島電鉄3500形を思わせたもの(1980年製造。wikipedia:(上写真も))。
実物の3500形は3車体の連接車ですが、「チビ電」は単車で動力車とトレーラーのセット。一見玩具的なのですが、欧州の路面電車では単車が付随車を従えるような路面電車運行は当時は未だ見られました。「軽快電車」の単車バージョンはそれほど可笑しくも見えないのですね。

たむちん様の作品ですが……広電3500としても、或いは「チビ電」としても結構な再現度です。
前面窓ガラスは3x6の大きなものがやはりしっくり来る。2灯のヘッドライトは落ち着きを与えます。前面下部をタイル貼り横組にすることで以下が可能に。
角の微妙な面取り。またヘッドライト周りの凹みで角型ライトケースの表現とすることも。
側面はやっぱりトレイン窓が似合う。広電だと「緑」ですが、此処は別の色でも違和感のないところでしょう(無論、緑のトレイン窓がほしいのは言うまでもありませんが……笑)。
あと、よく見ると車体下半分がタイル外出し組みでは? 結構高度な仕上げであり、スカートで覆われた側面と車体が見事にツライチになってる由。それ故にドアの凹み表現も効果をあげています。
車内にはPowerFunction機器一式も搭載してるようで、普通に自走もできちゃいそうですね。運転席部分だけでも空間があると息苦しさもないものです。
最後に。飽く迄個人的な願望ですが、広島電鉄3500形としての拡張発展も見てみたいかな……と思ったり。
床下スカートで覆われた電車でボギー車は難しいですから、「2軸(動力)−車輪なし−2軸」の構成で3車体連接にすれば自然に見えるかしら? これなら技術難度も低めで安定して走るはず。
いや、自分で作るべきかもしれません。その刺激を与えてくれたと。
広電は5000形グリーンムーバーがありますので、「路面電車の歴史を変えた」2車種を並べてみるのも意義深く思えるのです。
