この種の車の常で1両ごとに妙に個性があったりするもので、800形に関しては低運転台(原型)と高運転台改造車、元来の800系の二段窓と3550系などの編入車の1段窓が混在。812号車は高運転台で一段窓という姿。車内は転換クロス装備でした。
(その昔、名鉄はほとんどの電車が転換クロス装備だったのです。今は見る影もないですが)
前面の高めの窓と、側面の小窓の組み合わせで両運転台。真っ赤なボディに名鉄書体のナンバー。
原型こそ損なわれているものの、これはこれでアメリカンなインタアーバンを思わせる姿。

dyson様の作品。未だ試作中かも? 全長29ポッチ。
スケールよりも、ディテールを大振りにしているのが印象的です。イラスト的表現というか戯画的ともうしますか。可愛らしいバランスに収まっています。
ヘッドライトはΦ2で大きめ。大きめだからシールドビーム2灯化も再現できる。
ガーランドベンチレーターも大きめに。それゆえガラベンらしい形状になってる。側面のグリルも見逃せない。
そしてシルヘッダー。旧型電車や客車の表現での悩みどころですが、思い切ってタイルを張っての太味な表現。これが全体に大振り表現になった雰囲気に凄く似合ってる。窓も大きめ表現でヘッダーとのバランス良好。
半ポッチ凹ませた貫通扉はメリハリあり。旧型窓使った前面窓も旧型っぽい。
やはり大振りな桟板も必然性の高いアクセサリ。そして1プレート出っ張らせたテールライト。旧型車ならではの外付け感が顕れてる。
大胆な部類のディフォルメモデルではあります。しかし、812号車らしい特徴は抑えてる! あの電車のあの車番……であることが伝わってくる。
ディフォルメとハイディテールが、何故かバランス良く両立した作品と云えましょう。
鉄道模型的スケール感に反するかというと、鉄道模型的ディテールを備えてる。
このバランス、レゴトレインにこれまでとは違う、新たな可能性を示すものでもありましょう。
シリーズ化が楽しみなのです。