http://clickbrick.info/gallery/1054/
いつものビルドコンテストとは微妙に味付けというか、参加作品の傾向が違うのは興味深い。大人の物量勝負よりはお子さんの参加が目立ち、コンテスト元来の意義を感じさせます。
……というより、そろそろ「子供部門」「大人部門」分けたほうがよいと思うのでした。作品の評価文脈は全然違いますしね(例外はありますけど)。
なお、いつもの鉄道車両というか乗り物には厳しい縦長レギュレーションですが、幸いにも鉄道ネタの作品はいくつも応募・展示されていますので、紹介させて頂く次第です。
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千歳店より:THE TRAIN by たいが
4幅の新幹線を上段に、下段には蒸気機関車、モノレール(羽田線)、ディーゼル機関車。
4幅故に都市的な「並び・並走」が実現しています。たくさん並ぶのはやはり楽しいもの。
新幹線は0系(JR西こだま仕様)、700系、E5系。どれも特徴を捉えていましょう。
モノレールはレールが青ですが、これはひだか氏へのレスペクト……でしょうか(笑)。若い方だと思うのですが、今後が楽しみです。
佐野店より:SL銀河を見にきた様子 by るいぷーママ
あの路線のあの橋の雰囲気……がきっちり再現されています。手前のキャンプしてる様子をミニフィグスケール、遠方に見える汽車とアーチ橋はそれより小さいスケールにするというアイディア。奥行にも制限ある中で、遠近法的表現に成功してるのは快い限り。ジオラマというか特撮的には当たり前のこの手法は意外と使われてなかったものですが、広範に使えそうです。
機関車はファンタジックな雰囲気に見せかけて、先輪とか炭水車とか「わかってる」仕様です。可愛いけどリアルティ。キャブや客車の明かりを黄色で表現してるのも綺麗。
同じく佐野店より:小さな駅 by ホセーG-イタクラ
4幅の電車ですが、ミニフィグスケールでナローゲージ。このアプローチも十分にありです。
ミニマムな電車ですが、花巻電鉄辺りが後世まで生き残ってたらこんな雰囲気の電車走ってそう。前面のディテールが良い感じです。
駅舎の方はレゴ王道的な赤い屋根。小さな建物ですがディテール表現は「濃口」なので、独特の密度感というか魅力になっていましょう。信号機は芸コマ。
心斎橋店3位入賞:鉄道工事用ロボット by 薬師山
既に紹介しておりますので手短で失礼。改めておめでとうございます。オレンジの103系はやっぱりいいものですね(103系ってキャラの立った電車。匹敵できるのは0系とD51位でしょう)。
そしてユーモアも力強さもある世界観!
同じく心斎橋店より:田舎の駅の久しぶりのにぎわい by TOMOYA
ホームの雰囲気が良いです。ホーム幅はあった方がいろいろ遊べますね。
垂水店3位入賞:San Francisco 14 days by K.Matsubara
連続での入賞おめでとうございます。いうまでもなく「最強」の作品。個人的には全応募作の中から1位を選べといえば間違い無くこの作品ですよ(薬師山様のも迷うけど)。
サンフランシスコのケーブルカーの表現は神がかってるレベル。造形とか装飾に「盛り」がありますけども、世界観とか、魅せ方考えればこれで正義でしょう。何より西海岸の青空が見えるような雰囲気作りに成功されています。
地面も巧い。勾配は誇張表現ですが、これで適切ってものでしょう。背後の出窓のビルもいかにもあの街に立ち並んでいそうな風情なのですね。
詳細動画こちら。ギミック含めて必見。優勝狙える作品でした……。ジバニャン多すぎです今回は。
そんなわけでトレインオンリーの観点でコンテスト作品を眺めてみました。
1位入賞が無いのは惜しまれますが、傑作の3位入賞が2件もあったこと、このジャンルに挑まれる方の層が広いのは今回の良かったところでしょう。
ただ、そろそろ横長も解禁してよ……とは思いますが(苦笑)。