先ずは静止画より。

大きい、長い! スマート……じゃない。
スマートとは程遠い、マッチョ感と実用本位こそがアメリカンディーゼルの味です。蒸機も多くはマッチョで実用本位なのがアメリカンロコですから、正当なる後継なのでしょう。
(ディーゼル機関車の初期はことごとく流線型になるという浮気がありましたが)
この作品では長さ故の質感・重量感に拘っておられるところが窺えます。フルスケールのガチな鉄道模型的な魅力と言ってしまっても良い。
パワー感こそあれ、手すりやステップの精細さは目を引く造形です。ただ台車は「発展途上」でしょうか? ここにごっつい台車枠が造られると迫力を増されることでしょう。長い燃料タンクはGE Dash 8-32Bのそれらしい部分です。F形ではなくてD形なのは燃料積載量を増やすためか?
ボンネット(フード)の上は四角−丸−ラジエータ! という凹形構成。真ん中の丸みのある部分こそが原設計で両端の角ばった部分は如何にも後付? でもその合理性こそアメリカン。
実用本意に見える真四角のキャブ窓もまた、精細な工作がされた部分。塗り分け線も横組みに。
実物写真です(wikipediaより)

GE Dash 8-32B。1984年から1989年にGEで製造されたメーカー標準機。アメリカの常でメーカーの標準型が各鉄道会社に納品されます(自動車……バスやトラックの如く)。3150馬力。アメロコとしては中堅クラスで大型機というわけではありません。
日本のDF200(3600馬力)に近いものですが、設計思想などは根本から異なります。
スタイルは本気で実用本位。列車を引っ張る機械。好みはわかれますが、レゴトレイン界の大勢力の一つがアメリカであり、そのファンが好むのがこの種のタイプの機関車なのはご承知の通り。
ごついので貨物専用かとおもいきや、Amtrak車籍の旅客列車バージョンも存在するのでした(驚)。
流石に前面形状は異なりますが。

藤田様の作品に戻って。 反対側から。
蒸機時代の慣習から考えればこちらが「前」になるはずなのですが、アメリカでは視界の悪いエンジン側を前に走ることは滅多にないそうです。
ラジエータ廻りの迫力が凄い。それに対してデッキやサイドの回廊部分がつるつる仕上げなので、作品としてメリハリがついていましょう。手すりの一部に灰色使ってるのも注目。


既存作品、マースクカラーのSD-45との並び。こちらもフルスケール化された作品。
この種の機関車は並ぶと魅力を増しますね。似たようなスタイルに見えて、結構設計が違うのも分かります。

動力は見ての通り、PowerFunction。しかし6幅(いや、迫力の余り6幅であること忘れかけますが、6幅なのです!)でボンネット4幅なのにドコに電池BOXが……?
側面に目立たずに入る灰色のライン。
此処が電池BOXの上辺とか。電池BOXのケース部分をを除いて使ってるのですが、うまく隠したものです。
走行動画。後半は車載カメラからの視線も入ります。
この大きさのものが堂々と走る姿は、日本形電車とか欧州型の汽車とは違う魅力を感じられることでしょう。
車載視点ですが、悠然と車体揺らす。まさに悠然としかいいようがない。ゆらりゆーらり。恰も大船のごとく。
重連になって、その前付きの機関車のキャブかデッキから身を乗り出し後ろを眺める視点です。
アメリカ形というか、アメリカの鉄道文化の魅力を伝えてる作品と言って良いのかもしれません。