聞いた話じゃ全検1回通しちゃいいつもりの改造だったらしく(寿命8年程度)、1983−85年に改造された715系の方は1990年代には廃車されています。え、12年持ってるって? 想定外です(笑)。
しかし、北陸筋の419系は21世紀に入ってからも後継車が造られず。2006年ころまでは全車が健在でした。魔改造して20年。よくぞ持たせたものというか。全車の引退は2011年。
25年というとヘタすりゃ新車が廃車になるまでの期間。よくぞ使い倒したものです。
(寝台電車は日夜酷使されたので、改造前にも相当稼いでかつ走行距離も伸びてたでしょうに)
なお、乗る分にはあまり好きな電車ではありませんでした。
九州・仙台・北陸共に急行型格下げと共存してるんですが、窓の小ささはなんとも暗くて重苦しい。座席は快適では有りましたが何分ボックス数が少ないので相席になりやすくそこはトレードオフ。
なにより整備状態も宜しくはなく、例えば北陸筋では同じ座席でも419系は普通、583系は急行「きたぐに」(1990年ころまでは臨時「雷鳥」迄あり!)でしたが、その急行料金を別段高いとは思わなかったものです(苦笑)。
仙台は701系という最悪の後継車になりましたけど、北陸は快適な521系に置き換え。万々歳?
それでも、趣味的に見れば最高に面白い電車でした。
国鉄末期の経営改善という意味でも、最適解であったとも。迷車と言うよりは寧ろ名車。
何より、設計者の想定よりも長持ちしたということで、天寿はまっとうされたというべきでしょうね。
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taizoon氏が制作されたのは1988年ころからの白ベースの塗色になってからの姿。
改造当時のダークレッド+白帯は大変だからかな? と伺ったところ、こちらのほうが好みとのこと。但し「パーツの入手性」以外では、白のほうが塗り分け複雑で難度は上がる。青スカートは魅力的でした。
全長32ポッチのレゴスケールでの制作です。3両編成は実物通り。因みに実車は貫通扉がなかったので2編成つなぐようなことは少なかったそうで。
クハ419形。クハネ581の改造車で特急形元来の顔を持つ。
前頭部は同氏の485系に準じたもので整合性もありましょう。あの顔つきに違和感なく。ヘッドライト周りはよくぞ処理されたものです。
レゴスケールの中に近郊型の故の2ドアを詰め込むため、運転台直後の機器室は割愛。しかし、言われなきゃ気が付かないというレベルです。
側窓……開閉式改造部は1x2プレートと1x1ブロックで構成。これでユニットサッシらしさが顕れるモノですね。原型部はパネルですっきり。
狭苦しかったドアは1/4ポッチずらしで微妙に凹ませたもの(実車も凹みが目立つ、効果大!)。窓部は横組。
屋根は45度スロープ+プレート1枚。これで寝台電車由来の深い屋根の表現になっています。旧濃灰の色的重さ故に、クーラーの新灰色との対比も良し。ベンチレータが省略されてないのも嬉しい。
モハ418形。モハネ改造。二基あったパンタを片方撤去。何もない低屋根部分の虚しさもこの車の味。
両端に寄ったドアは近郊型の概念を覆すモノ……(昇降効率旧型客車と何ら変わらない……)。
窓配置は小窓は割愛して大窓優先。床置きクーラー部のグリルはよく見るとグリルブロックで表現されています。この形式のデッドスペース感の表現は大事(笑)。
残されたパンタ部分は碍子とかが良いアクセント。緑碍子、いいものですね。
低屋根部分への角スロープが良い味を出し。また低屋根部はポチスロ仕上げなのも丁寧です。
荷電顔とか食パン顔とか言われた、クモハ419形を前に。
前面窓の凹みは斜めを省略して半ポッチ凹ませているだけですが、これでも雰囲気が出てくるものです。ヘッドライトの間のタイフォンカバーはポッチを出して表現。芸が細かい。車体裾のステップも良いアクセント。そしておしゃれな?青スカート。スカート奥のスノープロウも忘れずに。
側面は良い雰囲気……と申したいところですが、クモハ419形では連結面のドアは車端部にあるのが正ですね。簡単?に直せそうではありますが。
(クハ418形ならこのドア配置でも正解です)
模型的にはこの車が動力車で、PowerFunction機器などを搭載しています。
反対サイドより。
背後に485系が居ると、数年前の北陸という感が強く出てきましょう。無論、419系もその末期には特急の多くは681系/683系になっていました。
419系の活躍した25年。413系や521系も含め、いろいろな並びが楽しめるはずです。その意味でも存在意義の大きな作品と。
475系とか、富山地方鉄道の電車も交えて。北陸の電車がいっぱい!
地鉄電車とは時に並走することもあったでしょう。今回のレイアウトでは制約もあり(時間面も)、並走など派手には出来なかったのですが、今後、東京や関西の催しで「北陸テーマ」を盛り上げる機会もあるんじゃないでしょうか? 「再会」が楽しみでなりません。
蛇足。
taizoon氏には当然581/583系も作れますよね……? という話は振っておきました(笑)。
あの系列はそもそも大物ですし、意外と入線線区は多く日本中どこでもあり得る。時代も1960年台末から2010年代まで。使いやすい、合わせやすい。ウケも取れる! 派手。
タンとブルー(もしくはダークブルー)という配色も今はそれほど難易度も高くありません。
こちらも、何時かは期待しても良いのでしょうか(笑)。419系のように3両じゃ済まず、特急or急行として整えると最低5-6両が欲しくなるのは困りものですけども。