
1984年まで山陽本線の発着する駅の片隅から奇跡のように残っていた別府鉄道の機関車と古典客車。
関山の世代では間に合わなかった、やや悔しさの残る鉄道です。
さて。
L形の小型ディーゼル機関車(非ロッド駆動)……という題材は安直に作ろうと思えばできてしまうもの。
でも、このDB201はディテールも凝ってて見応えがあります。平板さがありません。
横組まで駆使して表現した手すりの類。そしてボンネット上の手すりもタイルを組み合わせて絶妙な位置で表現し尽くしています。
前面窓は横組。この種のディーゼル機関車では多い横長の二枚窓の表現としてはベストのものでしょう。
連結面に目を向ければ解放テコ。そして端梁の青い色差しまで見えるとは。芸が細かい。
一見平凡平板な機関車にどこまで愛やら思い入れやらを注ぎ込めるか。その見本のようなモデル。何より驚かされるのは「赤いナンバープレートの高さを実車同様4面同じにする為に、かなり頭を捻らせています。」とのこと。確かに赤ナンバープレートは良いアクセントになっておりますが、そのコダワリとは。

古典客車 ハフ7は……上下2分割の窓で、良い感じで箱根細工的な組みを入れてきました。太めの窓桟はこの客車には必要でしょう。
そのかわり、インテリアも、あるいはダミー動力車化が困難になってしまったのは代償といえば代償です。ここはどこを取るか難しいところです。
ダブルルーフの表現は屋根両端部分だけスロープ角度変える小技が効いています。柔らかいというか、垂れてるというか、如何にも木を組んだものに布貼ってるだけという雰囲気が伝わってきましょう。
実物の微妙なカラーリングはサンドグリーンで表現していますが、煤けたというか褪せた感じの緑色なのですね。ちなみにサンドグリーンはかの「青大将」でも使えそうな色なので、その場合は「煤けた・褪せた」では無いのですけども……(笑)。
なお、動力化が悩みのタネ……とお伺いしました。
「思い切って9Vにしちゃう」のがもっとも簡単だとは思いますが、この理屈なら自分が悩んでる同鉄道DC302(ロッド駆動)の動力化でも「12Vならロッド駆動も簡単じゃん」という返しをするのに値するものでしょうね(苦笑)。
※12V環境は持ってはいますが、常時運用できるものじゃありません。限りなく「動態保存」。
別府鉄道の客レは基本混合列車ですから、動力の組み込みやすそうなワム車でも作り、小型車の場合の汎用動力車に仕立てるのが合理的であるのでしょうね。
実は運転会的状況では、意外と動力車が自走できるか否かは問題にならず、それよりは「確実に走る」ことの方が重要というのは実感です。
実現は未定……とのことですが、京阪神の片隅の渋い奴として期待しちゃいたくもなるのです。
余談ですが、別府鉄道は気動車も濃ゆいのもってましたよね?