
有名な「顧客が本当に必要だったもの」ってイラストで、本当に必要だったものって「これ」だったんじゃないでしょうか?
参考:ニコニコ大百科
「顧客が本当に必要だったもの」とは、ITビジネスにおける多難なシステム開発プロジェクトの姿を風刺した絵に登場する、オチの部分のフレーズ。顧客が期待した通りのシステムとして完成しなかった原因は、開発側の勝手な思い込みや都合の押し付けだと思いきや、そもそも最初に顧客が説明した要件からしてズレていた、というオチ。
つまり、顧客自身にも自分が必要とするものが分かっていなかったということ。
冗談はともかく。
先の薬師山氏の小田急ロマンスカー風アレンジも驚かされましたが、こちらも「シンプルさ・素直さ」って意味では負けず劣らずに魅惑のアレンジ。
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トレインプレートをやはり白に交換(#7938を部品とりに買えば余ってくる部品でしょう……)。垂れ下がり感を大きく是正。そして自作ステッカー群。大げさなものではなく「ICE」「DB」のみ。
あとはパンタグラフを後部に移設。9V時代の旧ヒンジ系なのは今は一般的ではないですが、#60051のカチカチヒンジのタイプでも、或いは何らかの自作品でも違和感なくいけるはず。
見逃せないのは、床下機器の上半分を「白」に差し替えたこと。前面の垂れ下がり感が更に緩和される! 真横からという60051のデザインが一番破綻してる角度からでさえも鑑賞に耐える。
以上の改造だけで、#60051はみごとに格好いい「ICE3」に大変身。信じられないのですが、大変身!
あぁ、なんてレゴ社は商売下手なんでしょうか!
最初からこのデザインにして、ドイツ鉄道の許諾取って「DB/ICE」表示を入れておけば(いや「LB/LCE」のモドキロゴでもこの際、赦す)。これならきっとドイツで(或いは同型の電車走ってる世界各国で……)大歓迎されることまちがいなかったでしょうに。
思うに#60051のデザインって、きっと元来はICE3をイメージしてたんでしょう。
でも、あれこれ弄られるうちにどんどんカッコわるくなってく。きっと電車知らないデザイナーも悪さしてたんでしょうねぇ。衆愚的なマーケティングとかも。あれこれ。あぁまるでダメなIT系開発。
で、「実際の運用」(実装された運用)はあんなになっちゃったと。
しかし、このYonenaga氏のアレンジ。元来のあるべき姿。冒頭の例えでの「顧客がほんとうに必要だったもの」になりきっていましょう。
なお、yonenaga氏の4.5V/12Vを愛されてきたがゆえのセンスの成せる技だと思うのですが、「大きくは手を加えていない」がゆえの、「良きレゴ製品的な、すっきりシンプル感」もまた魅惑的。はたまたプレイモービルであったり、LGBであったり……そんなリッチヨーロピアンな玩具の雰囲気さえ取り戻してはいないでしょうか?

#7938改造のドイツ近郊電車との並び。この両者、きっと4.5V/12Vの中に置いても違和感は皆無?そしてレゴの正当な進化感を味あわせてもくれる筈……。
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さて。
#60051アレンジ2作はどちらも作者から同日に画像を頂いたもので、相互の関係は全くないと断っておきます。
それでも、良い意味で考えられることが同じ。そして別方向で「化けさせた」のは興味深い。
ともあれ、この2作品がこの先数年、#60051が供給されるレゴトレインの入門に関し、良きファーストターゲットになるのは間違いありません。
#60051組んでみて、この先数年は初心者・入門者にキツイかな……と思ってましたが、希望に満ちた時代を予見させそう。この二作をみたら、#60051を「ダメ列車 白」※なんて評する気は失せますよ(笑)。
※:#4559(1996)がダメ列車 黄色。#4560/4561(2000)がダメ列車 青と云われてました。
無論、まだまだ#60051アレンジのアイディアはありましょう。期待しております。