2013年はレゴの製品にとっては、この上なく恵まれた一年でありました。大満足の1年です。
先ず、反論の余地のないであろう、ベスト。

レゴ家系もそろそろマンネリか……? と思われたところに顕れた変化球!
大きな窓のモダンハウス。積み重ね重箱+開閉式の柔軟な作り。33度屋根は濃赤と新茶の混合での妙なリアルさと質感。魅力はいくらでも。
公式の3モデル共に組換例も魅力的。
そのうえ、ユーザによる組み換えパターンも多々生み出されたのも記憶にあたらしいところです。これほどに「セット内組み換え」が盛り上がった製品も久々でした。どんな建物でも造れる。そして、造ってみようという気にさせる構成。まさしくプロの仕事でしょう。
ただ、この製品は日本での実売こそ安めだったのですが(記事書いた地点ではamazon.co.jp扱いないため割高ですが)、欧米では7000-8000円程度するようです。ですので、日本での盛り上がりと、それ以外ではどうも落差を感じさせられるのです……。
良い品であっても、価格が重要であること痛感させられます。

まずは大人向け10000代トレインの新作、「#10233 ホライゾンエクスプレス」。
TGV……最初のオレンジの編成が既にノスタルジーの対象であるってことをしみじみ感じさせます。また、レゴ的な意味では12Vのハイスピードインターシティ#7745(1985)の今様リメイクという価値もありましょう。
製品のクオリティは毎度毎度の吃驚モノ。窓まわりの横組みを公式で採用してくるとは誰が予想したことでしょうか?
問題は……やはり2箱買わないと編成にならないという妙な敷居の高さでしょうね。両端電動車の高速列車のモデリングゆえの宿命かもしれません。或る意味、一番レゴトレインとは相性の悪い題材であったかも。これが電車方式なICE3なら一箱で収まり?ますし、普通の客車列車(それこそ#7740のリメイクで「TEE」とか)とかでも問題にはならないのですが……。

先ず、機関車の造形はクラシックなアメリカ機として十分に満足の行くものでした。手押し運転用のレール入りというコンセプトも斬新。しかし、引っかかる要素も少なくなかったのです。
動力化への未対応。機関車本体には無理でも、炭水車走行させる手はあったでしょう。
引っ張ってるのが映画で出てきたアメリカンな客車ではなく、貨車2両……。
でも、最大の問題は映画が流行らなかったこと……。これが商品の寿命を決めてしまうのは版権物の宿命ではありましょうか。
ユーザの作品としてはウエスタンな汽車というのは時々出てくる人気テーマです。その割に製品化事例は少なめ。煽るわけではありませんが、絶版後に再評価されそうな気もします。

扱ってるテーマといい、建物のデザインといい、10000代以前の昔ならそれなりに伝説になったんじゃないでしょうか?
しかし、10000代大物に慣れてしまうと、これが物足りなく思えてしまうのですから罪なものです。
(レゴ社的にも、Cityのデザインにケチつける大人はモジュールビル買ってくださいということで住み分けは図っているのでしょう。これは悪いことではないです)

「#41015 ラブリークルーザー」レゴでの豪華プレジャーボート……というか純客船という企画は初のものでした。インパクトは十分。こんな船、いままでありそうで無かったのです。

直ぐに警察・消防……になりがちなCityとは違う軸が生まれ、定着してる喜ばしさよ。
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シリーズという意味では、久々のウエスタン「ローン・レンジャー」は「トレインチェイス」以外もなかなか好ましい製品群でした。しかし、映画が流行らなかったがためにあっという間に収束。短期テーマにはもったいない? ただ、この数年、版権の有無にかかわらず短期テーマも少なくないのは事実です。バリエーションという意味では短期テーマも歓迎すべきものなのですが。
気合入れてた新テーマ「チーマ」は売れていたかどうか、ちょっと分かりにくいところ。ただ、展開から1年が経ち、ようやく受け入れられつつある……感はありましょう。年末商戦では大型セットがamazon.co.jpでのランキングには入っておりましたし。
問題は、復活ニンジャゴーと食い合う2014年なのかもしれません。アニマル戦士たちの本当の敵はニンジャ軍団? とはいえ、男児向けアクションテーマも二本立てが出来る余裕があるってことなのかも。
新テーマといえば新生「キャッスル」。
前シリーズと代わり映えがしない上に、色調が子供向けにやや派手になってしまったこと。盛り上がりに欠ける感あり。
お城シリーズが色物に走ってた1990年代後半とか、2000年代なかば(カラフル騎士の頃)に比べたら神水準のシリーズなのですが、しかしその直前が良かっただけに比較されてしまうのですね。
それにしても。
この数年のリリース数の増加はファンにして「何を買うか選ぶ」ことを強いてくれてます。あれもこれも買うなんて先ず無理。減点法で製品購入選択ができるって贅沢。
でも、ほんの10年前。
欲しい物がなくて、どれを買うべきか「良かった探し」で、興味のないテーマも含めて強引に選ぶ必要があったのです。
やっぱり、今はいい時代。これがずっと、続きますように!