それは「窓を開けて、風を浴びられる電車」への焦り。

思えば、窓の開けられる車両、それも上昇窓というのが恐ろしく少数派になりつつある事実!
近年の新車では皆無なはず。固定窓か開いても下降窓。座りながら風を全身に浴びるって経験はどんどん希少なものになっていきます。昔(国鉄がJRになった頃)はいくらでもできたのですが……。
今のところは。東日本エリアだと上越線とか信越線、中央東線で未だ辛うじて115系電車が主力。北陸本線では急行型(455/471/475etc)とその改造近郊型413系が金沢〜直江津間では大多数派。福井までは或る程度そうした上昇窓の国鉄な車両への乗車ができると。で、景色の良い所ではクロスシート1BOX専有して(割と前提です)、風を浴びまくれるのでは……と目論んだのでした。
ただし、18きっぷのシーズンって列車の窓を空けられる時期ではありません。冬は論外、夏は9月に涼しい日でもあれば別ですが近年の猛暑続きじゃではありえない話(非冷房車はそれこそ昔語り)。
春も3月なんて冬の延長のようもので車窓には雪が見えて当たり前だったりしますよね。窓は開けられない。
で、ぎりぎりの例外が鉄道の日絡みでの「秋18」であると。
ですので、福井へはこんなスケジュールで。横浜線・中央東線・篠ノ井線・信越本線・北陸本線……という流れ。
そういえば、北陸新幹線開業で在来線分離されたら18きっぷでの通過特例作ってくれないとこのルートでの旅行できなくなるんですよねぇ。その意味でもタイムリミットが迫ってます。
(まぁもう1シーズンは辛うじてありますが)
桜木町443発 → 東神奈川450着 京浜東北線 E233系
早朝と言うよりは深夜なので、桜木町までは自宅から5kmほど歩いて。この距離は歩く度に「もう嫌だ!」と思うんですが、始発時間がシビアな18旅行では便利なのでまた無理しちゃうんでしょう。
東神奈川454発 → 八王子548着 横浜線 205系
横浜線は乗っててなぜか苦痛。体感時間長いです。スマホがないと心折れます。
八王子550位発 → 高尾 555位着 中央線 E233系
連絡のための短時間乗車。特にいうことなし。
高尾614発 → 岡谷905着 中央東線 115系 6両
115系の6両編成。中途駅での通勤通学需要あるのでこの長さが必要。それがゆえに景色のよさそうなところでは都合の良い空き具合になってくれると。また、3時間弱の連続乗車はやはり乗り甲斐のあるものです。
でも今後211系ロング車になったりしたらと思うと鬱すぎ。
岡谷908発 → 松本934着 篠ノ井線 313系転クロ 3両
JR東海(飯田線)からの直通。割と混雑。でも、全員着席できるくらいの乗車率だと転クロが快適。翌々考えてみたらJR東日本区間の普通列車で転クロってこの辺くらいですよねぇ(笑)。30分熟睡。
松本937発 → 長野1110着 篠ノ井線 E127系 2両
簡易なワンマン電車での2両! すげぇハズレって思いました。でも、ワンマンカーなら後ろの車掌台が開放状態なのを思い出し、誰もいないので占拠しちゃいました。
東北の701系などでもそうなんですが、束のこの手の電車って車掌台部分の窓が大きく空けられるのも大きい。車端部なんで空いてりゃ迷惑にもならない、意外な「窓の開けられる電車」です。
(まぁ、東北の701地獄に足踏み入れる気はしませんけどね)
車掌台は姨捨のスイッチバックでは最前部になります。運転位置は変わらないので無人の運転席を横目に前進する奇妙な光景が。
意外と楽しかったと記しておきましょう。

長野1124発 → 直江津1258着 信越本線 115系 3両
長野乗り換えで昼飯弁当購入。で、すかさず信越本線の景色の良い進行方向右側確保。
お馴染みの115系3連。この区間だと「妙高」で183/189系も普通列車ですが、乗るなら115系ですね!
この区間が一番乗ってて楽しかったです。山と里、渓流のバランス感覚に癒されます。もっと山ばかりになると楽しいけど「疲れる」かなと。
なんであれ、山越えの肋骨的な路線が複数存在しちゃう辺りのキメの細かさ。そしてそんな路線でもローカル輸送が成立する辺りが日本の鉄道の特徴なのかもしれません。
直江津1312発 → 金沢1628着 北陸本線 413系 3両
急行型電車目当てだったんですが、来たのは413系。ちょっと残念。


海側占拠しますが……うーん、山の景色に比べて海沿いって「大味」な気がしなくもないような。速度も早めで気温も下がってきたので窓開けは自粛。
ここも3時間あまりの長丁場です。最後の方はうとうと。
金沢1638発 → 福井1805着 北陸本線 521系 4両
ここは全列車が521系みたいですね。幸いにも4両。
さて、電車も宿も古くて風情のあるものの方が好きな管理人でも、初乗車の521系は肯定せざるを得ませんでした。はっきり言って「ボロい」急行型やら、小汚い413系と比べて雲泥の差。
何より、車内設備の差異が大きい。
地方の普通列車のボックス席って、誰か(特に余所者)がすでに占拠してると相席しにくい雰囲気になってしまうようです(そんなのお構いなしの京急1000形とか2000形とは違う世界)。ですから、空席あっても意外と立ってる人も少なくない。死に席が下手すりゃ75%になってしまうと。
でも転換クロスなら相席避けても死に席は最大でも半分。で、相席への抵抗も少ないですからますます空席率は下がって死に席は減る。これが見ていて快いものでした。
何より満席状態でも居住性は高いですしね。考えてみたらボックス席でピッチ1470mmなんて戦前の3等車の水準。でも、転クロなら2等車(戦後の並ロ)と同水準です。
無論、521系化で編成短くなり座席定員は確実に減っているんですが、死に席が減り、全員着席状態で「全員が快適」なメリットは大きそう。地方線区の新車に転クロはちょっと贅沢……とさえ思ってましたが、死に席がなくなること思えばメリットは大きいのかなと思ったのでした。
とか、考えてるうちに福井着。
秋晴れの下、まる14時間、目的通りに時折風も浴び、缶酎ハイを○本も空けた楽しい楽しい移動でした(風浴びると酔覚めるのも早いような気がします……)。酒呑んで景色眺め、中島みゆきでもだらーっと聴いてる分にはちょうどよい乗車時間でもあると。いや10時間未満だと乗り足りないっていうのも何かが麻痺しちゃってるのかもしれませんけど。

氏と呑みながら相当に濃い話題で盛り上がり、テーブルにレゴ製モハ200同士を並べたりしてそれも肴に更に盛り上がったのでした。

それにしても、福井はネットカフェやたら不便。
駅から余裕で3kmはあるわ、設備はあんまり良くないわ(PCがトロいし)。本の種類少ないわ(集英講談小学館秋田以外がホンのおまけ)。地方なのにブース狭いわ……。ナイトパック安めなのは救いですけども。
連泊考えてたんですが、流石に計画見直しと。ここ2泊は無理と。
<続く>