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この種の交流電気機関車作品もED75を中心に多々作られてきたものでしたが、これは新技法・新表現が盛り込まれた作品。
先方の記事(製作中。こちらにしかない写真も幾つか)
先方の記事(完成版)
ED77は実物の印象が薄い機関車です。両数少なめ……といっても16両は製造されていますが(1965・1967-70)。活躍が磐越西線に限られ、特急など派手な牽引実績がないからかも知れません。
廃車も早く、1993年までに全廃と。
詳細こちら(wikipedia)
スタイル面では、ED75を引き伸ばし、運転台窓周りがすっきりした形状が特徴。足回りはやや強引に二軸中間台車が挿入されていました(B-2-B)。この車軸配置の機関車はゆったりした全長の事が多い(ED72やED76、ED78など)のですが、ED77は詰まってみえるのが今から見ると特異に感じられます。
901号機は、元ED93 1という試作機で、これをED77増備に合わせて改造・改番したもの。
もと非貫通型ゆえのちょっと傾斜のついた前面窓。そして屋上の大きなペントハウス状の機器ケースが特徴でした。
新技法のパンタグラフ。たたんだ状態でのプロポーションと、上下を繰り返しても壊れない強度の両立を狙ったもの。
彫りの深い、誇張感のある前面ディテール。庇を1ポッチはみ出させたからだと思うのですが、下部ステップなど全部がこの表現なので、違和感がありません。この彫りの深さは雪国・北国の電機らしさを盛り上げます。901号機では印象的な前面窓の傾斜は割愛されていますが、そのかわり貫通扉の張り出しが大きいので「らしく」見えるのですね。
そして圧巻は屋上機器。ペントハウスとその前後に飛び出たガイシのインパクト! ペントハウスは左右サイドで見た目が違うのもポイント。機器箱類はタイル・ポチスロ仕上げですっきり。
印象的な車体の組み方。ルーバーだけでなく、モニタ窓部分も横組。またルーバー下の1ポッチ幅分も横組。これによって横組を前後と整合性の取れる偶数幅にしています。
この応用で、ED77量産車やら、ED75も作れる……とのこと。
印象的なのは中間台車の「ダミーへの割切」ですね。
実物の中間台車は動力台車より明らかに小さいので、普通に作るとED77というよりは「EF77」に見えてしまう可能性さえあるわけです(笑)。かといって小径車林は「鳴く」問題もあります。
この割切、応用範囲も広そうです。なによりルックスも優れるメリットありますし。
ルックスというと動力系も省略されています。飽くまでダミーの動力入客車・貨車に押されての運用。このおかげで足回りは格段にリアルになっています。トレインモーターにこだわるとホイールベースなどどうしても不利になりますから、この思想は間違ってはいないでしょう。
この作品も、今後の流れを変える力を持っていそうです。