http://moneyzine.jp/article/detail/208122/
食堂車、各地で復活の兆しあり 地元の名産で競い合いまず、ここで扱われているのは、近鉄特急「しまかぜ」と、明知鉄道の「和食堂車」。
その昔、鉄道の旅で空腹を満たすのは、駅弁と「食堂車」が定番だった。駅弁はいまでも、多種多彩な味を取りそろえて健在である。一方で食堂車は、列車のスピード化とともに時代遅れの存在となり、いつしか長距離を走る寝台列車でディナーを提供する特別な空間となっていった。ところが最近、スローな旅を求める人々の増加にともない、一般的な列車でも再び食堂車が脚光を浴びている(後略)。
しまかぜのカフェは思っていたよりも本格的な食事サービス(メニュー写真)行ってるようでセルフではなく配膳があるようです。食器もしっかりしたもの。
近鉄特急の中で温かい食事……というと12000/12200/10100系のスナックコーナー(1967−1974年頃? 長続きせず)以来ですから、長続きして欲しいもの。
明知鉄道のは軽快気動車の中にテーブル仮設して、揃いの箱膳を頂くというスタイルのものですが、コースの価格帯も広く取っていて、中には利用しやすい価格(往復運賃込2900円)のものもある模様。
参考:編集長敬白「明知鉄道は今」/ 明知鉄道公式
これまで団体でないと利用できなかったものを個人客にも開放したら受けたようで、2011年スタートですからもう2年以上続いている由。
また、これが以下の九州で実現した本格的なものに影響与えた可能性は大きそう。
さて。
不勉強にも初耳だったのは肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」。2013年3月「開店」。
観光列車「おれんじ食堂」(肥薩おれんじ鉄道公式)
(料理の写真や車内配置図などもあります)
地上調理の箱膳を積み込むスタイルは明知鉄道と同様ですが、こちらは気動車の中にギャレーを設け、スープやご飯は温めて出すというスタイル。そして列車自体もJR九州のリゾート列車同様の水戸岡鋭治デザインで大改装した本格派。2両編成で1両は「食堂車」(食事付)で1両は「リビング車」(食事オプション)という編成。
本格派だけあって3時間の乗車で12800円の料金(食事+運賃)は高いかな……と思いましたが、全区間で2710円の普通運賃+特別車料金1400円+食事4500円(食堂車と同じ。要予約)という利用も「リビング車」では可能。無論、食事なしの利用や、飽くまで列車なので飲食物の持込も可(沿線でお弁当とか買って貰う必要ありますものね。地域活性化なら!)。
でも、周りで食事してるのに自分のところは何もなしって訳には行かないような(苦笑)。


ちなみに車輌設備的には1400円は高くありませんし(グリーン車というよりは「一等車」!)、食事も写真見る限り4500円出す値打ちはありそう。少なくとも北斗星のディナーよりは魅力的ですし、東京の動かない店でもこの値段は取られそうな感じのものです。
なお、フルサービスな「食堂車」の方だと沿線のおみやげなどが付く模様。会食向けのテーブル配置と言い、団体とまで云わずともある程度の大人数向けなのでしょう。
この列車、コンセプト的に往年の「プルマンカー」(イギリス・フランス)に近いかも知れません。1等サロン車の座席が食卓になるもので、1端にはギャレーがあってフルコースな食事サービスが受けられるもの。
水戸岡デザインのウッディーなインテリアや、外装の落ち着いたブルーもプルマンを思わせます。

http://www.travelnews.co.jp/special/west/13/minamata/11.html
より。軽快気動車ベースとは思えぬ「重厚」さ。
流石に九州なので気軽にお試し……とはまいりませんが、憧れのプルマンカーの今様・コンパクト版としての魅力たっぷり。何時かは乗って、味わってみたいとおもうのでした。
そして、この種の新世代の食堂車がより広がり、全国で味とおもてなしを競うようになってくれれば面白いなぁ、とも。
◆◇◆◇◆◇◆ ◆◇◆◇◆◇◆
そういえば、レゴの旅客列車のセットは#182も#7740も#7745も#4558もすべて「食堂車」入りでしたね。あとは最近の#10194や、#10233もまた然り!
食堂車って鉄道の捨てがたき魅力として、世界共通のものなのでしょう。
その魅力が鉄道大国日本でのリアルとして、やっと再認識されたことに感慨深さがあります。