
もともと好きな電車の一つで製作予定にありましたが、先日の湘南顔の大改修で予定繰り上げ。
その上に、連休中に福井から或る来客ありましたので、急ぎ完成させたものです。
http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=503103
brickshelf(検閲済)
●実物について
京福電鉄福井支社 モハ3001形は元南海電気鉄道の11001形。1954−1956年頃に製造された南海初の新性能車でした。初期車は前面貫通型。後期車は前面2枚窓の「湘南スタイル」に。車内は転換クロスシートで料金無料のサービスをしていた由です。無論「特急」「急行」用。
1973年、南海の架線電圧昇圧(600→1500V)によって約半数が引退、残りは1001形として冷房化・再起。
引退した中には湘南スタイルの先頭車が6両ありましたが、その全車6両。また貫通型先頭車の2両が京福電鉄に払い下げられ、3001形3001−3008となりました。2連が4編成です。大きな改造はなく、塗色がクリーム地にエンジ色帯に改められました。
南海時代の薄緑に緑帯も美しいのですが、この京福での塗色も趣味の良いものでした。
京福では1980年頃に姿はそのままで外板張替えの大改修を行い、1989年にワンマン化(先頭車のドア移設)。しかし2003年のえちぜん鉄道への移行では移籍は行われたものの使用されずに廃車されてしまいました。車齢を考えれば致し方ないことでしょうか。
なお、南海に残留した1001形は1987年までに引退しています。
余談ですが、11001形の全長を縮め、更に山岳線用の特殊装備備えたのが高野線用の21001系列です。こちらは南海でも長生きし、また今も大井川鉄道・一畑電鉄で健在。大井川のはクロスシートを維持しています。
個人的には何度かに及ぶ福井の私鉄訪問(京福と福井鉄道をセット)で乗車・撮影しています。ワンマン化後のちょっと姿が崩れたあとでしたが。それでも1950年代生まれの品の良さに感激してたもの。好きな電車の一つでした。
撮影したファンも多く、実物写真は多々見つかりますが、こちらがお勧めです。
http://rre.ninja-web.net/prvrc/keifukuf/kfrf1.htm
「京福電鉄(福井)(1)−想い出のカラー」
http://satoyama.in/auto/sharyo/auto522.html
京福電鉄福井支社4 旧南海3000(里山工房)
●レゴ化にあたって
南海時代の再現も考えました。が、灰緑で電車作るのはあまりに制限多すぎです(笑)。対して京福なら白に濃赤の帯で済みますので難度が大きく下がります。いやまぁ京福時代の印象も強いので不本意でもなんでもないですが。


側面は「飛行機窓」を使用。小さめの下降窓が並ぶ側面の再現はこれがベターであると。しかし、飛行機窓の使える鉄道車両って新幹線以外だと少ないですよね? なお窓と帯の位置関係から車体は完全に上下逆転で組んでいます。腰板と幕板の寸法比はちょっと苦労した部分。裾のエンジ色は実物より広めにアレンジして辻褄合わせたりしてます。
全長は実物が20mありますので32ポッチ。この種の地方私鉄の電車としては大柄です。
微妙な表現ではありますが、窓は実物で開閉可能な部分はガラスを裏返しで付けて彫りを深くしました。戸袋窓部は公式どおりにつけ、側面とツライチです。


前面屋根は「見せ場」の一つ。斜めの塗り分けをコーナースロープの組み合わせで再現してみました(suu氏の銀河鉄道「777」の表現を応用)。

妻面は片幌にして、連結面間を詰めています。実物は両幌のはずですが。

車内は上下逆転の上、赤いクロスシートを再現。床面はダークグリーンだった記憶あるのですがコスト面で断念し濃灰に。

ドアはプラグドア開閉式、微妙な凹みを出せるメリットがあります。

車体裏面より。台車の取り付け方。割と苦戦しました。上下逆転は出来れば避けたい組み方です……。
台車は割と目立つボルスタアンカを再現。床下機器は例によって適当ですが、1×1ブロックの裏面を見せる抵抗器の表現は気に入った部分です。

Mugen様のえちぜん鉄道Mc6000形とのツーショット。このために頑張りました(笑)。
実物は活躍時期微妙にずれてますけど(3001の完全引退にMc6000は入線している由)。まぁそこは気にしないことで。
それにしても、こうして見ると拙作のパンタは手抜きですね。そろそろ改めませんと。

中央駅構内にて。
<続く>