畳の部屋で撮影されているこの作品群。日本を代表するアメリカ形作例といえましょう。



http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=497394
M-10000。1930年代、極めて初期の流線型列車。アメリカの鉄道車両の例に従い、鉄道会社よりは車両メーカー主体の企画だったようですがユニオン・パシフィック鉄道に属しました。飽く迄試作であったためか、二次大戦中には金属供出のために解体されてしまった極めて短命の車両でした。
(全盛期のアメリカの鉄道車両には、数年で影も形もなくなるような「幻の名車」が少なくなったのです。今のAmtrakは平気で60年前の展望車を第一線で使ってますけど……)
グロテスクにも見え、しかして時代が一回りすると機械美とか感じさせるあの造形を見事にモデル化。塗り分けの階段状処理が綺麗です。
また、ヌメッとした最後部も綺麗に処理されています。
床下に目を向けると、台車スカートも表現されているのが嬉しいところ。流線型の魅せどころです。



http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=497394
エアロトレイン。こちらは1950年代の流線型列車。豪華さよりは合理性を重んじた、軽量低重心の列車でした。客車は当時の長距離バスの車体を拡幅した設計だったそうです。各地の鉄道会社で試用されましたが、従来の列車ほどの設備や乗り心地が維持できず、短命に終わっています(保存車はあるようです)。
ボンネットの大きく突出した前面は鉄道車両としてはあまりにも型破り。ここまで強烈な流線型はそれまでにもこの先にもありません。
モデルでは、この前面も、また低重心構造もあますことなく再現。客車のバス式メトロ窓(前傾した、昔の観光バスのような窓)も表現されています。
なお、この列車もおしりが特徴。GMが作っただけあって、当時の自動車のような雰囲気です。



http://www.brickshelf.com/cgi-bin/gallery.cgi?f=497398
パイオニア・ゼファー。1930年代、M10000のライバルでした。こちらは車両自体は割と長生きして1960年代迄は現役だったらしいです。保存車もあり。
長く多くの人の目に触れてきたがためか、レゴ化された作品は少なくないですが、このモデルは「曲面的に、まろやかに」まとめているのが特徴でしょう。
屋根が低く表現され、#10022のサンタフェ客車あたりと並べたら背の低さ、重心の低さが実感できそうですね。
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以下余談。
アメリカ形、管理人も手を出してみたいと思いつつ、なかなか手が付けられません。いくつもいくつも作ってみたい題材はあるのですが(主に電機や電車、アメリカ全体では少数派ですが)。併せて1930年代〜1950年代の流線型も大好物。何時か、頑張ってみたいです。